藤本美貴さんが通信制高校のサポート校「中央高等学院」の相談役に 自分らしさを表現するには?と問われ

上原梨花
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中央高等学院の相談委員長に就任した藤本美貴さん=右から2人目、東京都渋谷区のシブヤeスタジアムで

通信制高校のサポート校「中央高等学院」(本部:東京都)は、在校生や保護者の相談役として「相談委員長」を新たに設け、タレントの藤本美貴さん(40)が就任しました。8月14日、東京都渋谷区の「シブヤeスタジアム」で就任式が行われ、式典後には在校生を対象とした公開相談会も開かれました。

2002年にソロデビュー 3児の母

藤本さんは2002年にソロ歌手としてデビューし、その後モーニング娘。のメンバーとしても活動。現在は3人の子どもの母として子育てと仕事を両立しながら、テレビやYouTubeなど幅広い場で活躍しています。こうした親世代への共感力、さらに多様な子どもたちへの理解があることが、今回「相談委員長」に起用された理由だとされています。

当日は中央高等学院のイメージカラーに合わせた緑のワントーンコーデで登壇。就任を記念して手渡された「特製巨大名刺」を受け取り、「重みを感じます。気持ちが引き締まります」と笑顔で語りました。

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中央高等学院の相談委員長に就任した藤本美貴さん=東京都渋谷区のシブヤeスタジアムで

通信制は卒業が難しい、と言われて

壇上では、自身のこれまでの歩みについても語りました。

「私は高校1年生まで通っていましたが、当時は『通信制は卒業が難しいからやめておけ』と言われる世代でした。中央高等学院のようなサポート校を知っていたら、私のような子も通えたのではないかと思います」と率直に話しました。

16歳で北海道から単身上京した当時を振り返り、「安室奈美恵さんに憧れて歌手になりたいと思ったので、迷いはなかったです。小さい頃はおばあちゃんの影響で演歌歌手になりたいとも言っていました。唯一の悩みは、北海道の真ん中に住んでいたので『どうやってオーディションに行けばいいんだろう』ということでした」と明かしました。

友達から相談されたら、どうする?

式典後の公開相談会では、在校生3人が壇上に立ち、それぞれの悩みを藤本さんに相談しました。会場は真剣さと温かさが交錯する空気に包まれ、生徒の言葉に耳を傾ける観客の姿も多く見られました。

最初の生徒は「友達から相談を受けたとき、どう声をかければ相手が前向きになれるか」と問いかけました。緊張した様子でしたが、真剣な眼差しでマイクを握っていました。

藤本さんは「難しいよね!」と共感し、「悩んでいる人は視野が狭くなってしまうことが多い。寄り添いながらも、否定せずに『こういう考え方もあるよ』と伝えてあげるといい」と助言。「右もあるけど左もある。でも斜めだってあるよ」とユーモラスに続けると、会場に笑いが起こり、生徒も肩の力が抜けたように笑顔を見せました。

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中央高等学院の生徒3人と並んだ藤本美貴さん(右から2人目)

2人目の生徒は「将来は芸能系の仕事をしたい。学生時代にどんな経験をしておけばよいか」と相談しました。

藤本さんは「想像するのと実際にやるのとでは全然違います。アルバイトでもボランティアでも、いろんな経験をすることが一番大切。人と関わる経験が歌や演技にも必ずつながります」と答えました。真剣にうなずく生徒の表情からは、言葉をしっかり受け止める様子がうかがえました。

「オリジナリティー」を出すには?

最後の生徒は「自分らしさを発揮した表現をしたい。オリジナリティーを出すにはどうしたらいいか」と打ち明けました。

藤本さんはすぐに「もう、すでにオリジナルですよ!」と笑顔で返答。「自分から出てくるものは全部オリジナリティー。誰かと違ってもいいし、同じでもいい。自分が思ったことを発言すること自体がすてきなんです」と語りました。生徒の表情は次第に和らぎ、安心した笑顔を見せると、会場からも大きな拍手が送られました。

最後に藤本さんは「人と比べる必要はありません。失敗も経験のひとつ。そこから自分の成功を見つけてほしい」と全体に呼びかけ、会場は温かな雰囲気に包まれました。

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相談委員長に就任し、特製巨大名刺を受け取った藤本さん

子どもが好きなことを見つけるには?

子育てについて問われた藤本さんは「子どもには好きなことを見つけてほしいと思いますが、今はそれが難しい時代だと感じます」と語りました。

「やりたいことがはっきりしている子には『行きな!』と背中を押します。まだ見つかっていない子には、いろいろな場所に連れて行ったり、習い事を体験させたりして、きっかけを与えてあげたいと思っています」と、3児の母としての経験を踏まえて話しました。

また、家庭での様子については「子どもたちからはほとんど相談されません。私が『どう思ってる?』と先に聞いてしまうので(笑)。『あなたの人生だからあなたが考えなさい』と答えるので、相談が来る前に終わってしまうんです」と明かし、会場を和ませました。さらに「私自身の相談相手は夫の庄司(智春)さん。一番私のことを理解してくれています」とほほ笑みました。

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