女性が休めば社会は破綻する…アイスランドを変えたストライキ「女性の休日」 ドキュメンタリー映画が25日公開

映画「女性の休日」の一場面　© 2024 Other Noises and Krumma Films.

男女間の不当な格差に憤り　

　1970年代は中産階級が拡大。アイスランドの女性たちは、あらゆる家事をこなし、男性との賃金格差は顕著だった。不当に扱われる現状に女性たちは疲れ、憤っていた。

　映画に登場する女性の一人は、母は6人の子どもを育て、服は全部手作りしなければならなかったと証言。また男性のように農場で働きたかった女性は、農場主のグループに入れなかったと話す。銀行勤務の女性は、若い男性に仕事を教えると、あっという間に上司になったと語る。

映画「女性の休日」の一場面　© 2024 Other Noises and Krumma Films.

　そんな社会を変えたいという動きは、各国で広がる。国際婦人年の1975年、アイスランドで女性会議が開かれ、女性の地位向上を求める運動「レッドストッキング」のメンバーらが参加した。女性が休めば社会が破綻することをストライキで示そう、との機運が高まる。

ジェンダー平等の先進国へ

　女性たちのネットワークは拡大。決行に踏み切った10月24日、家庭や職場は女性が不在となり、回らなくなる。ロシアに向かう船の中では女性3人が掃除などを拒否して部屋に立てこもった。この日を機に女性の存在が見直され、ジェンダー平等の先進国になっていく。

　映画は「現在、国会議員の48％が女性」と伝える。監督のパメラ・ホーガンさんがアイスランド旅行中に「女性の休日」を偶然知り、映画化を望んだ。71分。