【産婦人科医が解説】受験と生理が重なったら? 鎮痛剤やピル…選択肢はたくさん 早めに婦人科に相談を

鎮痛剤は毎月飲んでも問題ない
生理や月経前症候群(PMS)による体調不良は腹痛や頭痛、眠気などの症状があり、個人差が大きい。生理用品ブランド「ソフィ」を手がけるユニ・チャーム(東京)が2024年に行った調査では、女子高校生ら受験生の71%が「生理による頭痛や腹痛で勉強に集中できないことに不安がある」と回答した。「受験日と生理が重なるかどうかが不安」と答えた人は85%に上った。

生理痛について、名古屋市の産婦人科医、伊藤加奈子さん(48)=写真=は、まずは市販の鎮痛剤の服用を勧める。「痛みが強くなる前に早めに飲んでほしい。用法用量を守れば、生理が来るたびに毎月飲んでも問題はない」と話す。年齢によっては服用できない薬もあるため、薬剤師などに確認するといい。
中用量ピルで生理日を遅らせる
鎮痛剤を飲んでも痛みがひどかったり、経血が多かったりする時は、薬で生理を止めたり、予定日を移動させたりすることも選択肢の一つ。受験日が近く、生理が受験当日と重なりそうな場合、女性ホルモン「エストロゲン」の配合量が比較的多い中用量ピルを服用することで生理日を遅らせることができる。ただ、副作用が現れる場合もある。
「生理で困っているなら、受験の半年~1年前から低用量ピルを服用し、生理の症状そのものを軽くするなどコントロールした上で臨むのが望ましい」と伊藤さん。生理が始まって半年ほど経過していれば、小学生でもピルを服用できる。問診や採血のほか、必要に応じて腹部エコーなどの検査を行い、内診せずに処方を受けられる。「選択肢はたくさんあり、早めに婦人科を受診してほしい」と訴える。
保護者の「理解」が大切です
伊藤さんは保護者が生理について理解することの必要性も強調する。
「生理痛は我慢するもので、痛み止めを飲むのは良くないという誤った考えや、ピルは将来妊娠しにくくなるという間違った情報も流れている。根拠のない考えや情報を子どもに押しつけないでほしい」と話す。
娘が生理で困っても…母親の47%は気付かない
ユニ・チャームの調査でも、母親の47%が「娘が生理で困っていることに気付いていない」ことが判明。生理について話し合えているか、母と娘で認識に差があった。調査を受け、同社は昨年、「ソフィ受験生応援サイト」を開設。生理用品の紹介や体調管理のアドバイスなどを掲載している。広報担当者は「自分に合ったケアを見つけ、普段話題にしにくい生理について親子で話し合うきっかけにしてほしい」と話す。
受験生と保護者が生理について学ぶ動きもある。九州を拠点にする学習塾「九大進学ゼミ」は今年6月、生理をテーマにしたオンラインセミナーを初めて開いた。生理周期による体調の変化を踏まえた学習計画の立て方などを伝え、産婦人科医が質問に答えた。
企画した成富仁美さん(35)は「事前の質問募集に多くの悩みが寄せられ、相談できずにいる人がたくさんいたことに気付かされた。生理をタブー視するのではなく、今後も正しい知識や情報を広める機会をつくりたい」と振り返る。
生理による体調不良を巡っては、大学入学共通テストや公立高校の入試を受験できなかった場合に追試の対象とする対応が全国で広がっている。
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