川崎市議の枝川舞さんが流産、不妊治療を経て産休 つらい思い、経験も力に 「制度があっても使いづらい社会を変えたい」

北條香子 (2026年3月22日付 東京新聞朝刊)
 川崎市議の枝川舞さん(41)=幸区選出、公明、1期=が今月上旬、産休に入った。流産や不妊治療を経て、第2子を5月に出産予定で「つらかった経験も無駄にならず、議員活動につながっている」と笑顔で語った。
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産休前最後の市議会予算審査特別委員会で、市側に質問する枝川議員(中)(川崎市議会局提供)

つわり中、休憩室で議会中継を聞く

 「夫も私も子ども好きで、ずっと赤ちゃんがほしいと思っていた」という枝川さん。5年前に自然妊娠したが、妊娠11週で胎児の心拍停止を知った。「つらくて苦しくて、すぐ次の子をとは思えなかった」と振り返る。ようやく前向きに考えられるようになっても、なかなか子どもを授からない。そんな中、2023年の市議選出馬を打診された。流産後に励ましてくれた友人らを思い「地元に恩返ししたい」と腹を決めた。

 当選後は働く女性の後押しや育児支援に力を入れ、市立川崎病院での低出生体重児へのドナーミルクの提供、医療的ケア児の保育所受け入れなどを議会で取り上げた。議員活動と不妊治療の両立に悩んだ時期「先輩議員が『今は治療を最優先して』と言ってくれ、心強かった」という。

 昨夏に妊娠がわかり「本当にうれしくて泣いちゃった」。安定期に入ってもつわりが続き、本会議や委員会中に気持ち悪くなり、一時休憩室でオンライン中継を聞くなどした。休憩室は超党派の「女性議員ネットワーク会議」の働きかけで24年に整備され、枝川さんは「横になれる場所があって、本当に助かった」と感謝する。市議会で昨春認められた、妊娠を理由とした常任委員会へのオンライン出席も活用した。

出産立ち会いのための欠席しづらい

 産休に入ってからは、妊娠糖尿病で一時入院。高齢出産となり、産後の回復や子どもの預け先などに不安は残るものの「一時預かりや誰でも通園制度なども利用して、より当事者目線を強みにしていきたい」と前を向く。

 2月に第3子を出産した斎藤温(のどか)議員(共産)に続き、市議会の産休取得は2例目。田倉俊輔議員(みらい)は、妻の出産と議会日程が重なった場合、議会を欠席する意向を示している。市議会の会議規則は、配偶者の出産立ち会いのための欠席を定める。しかし、市議会局によると、これまでに出産立ち会いを理由に欠席した男性議員はいないとみられる。

 公明党内では佐々木さやか前参院議員が20年に産休を取っている。女性の地方議員が比較的多い政党ながら、任期中の出産は珍しいという。枝川さんは「私と同じような経験をする議員は今後増える。これまでの思いや経験を力に、制度があっても使いづらい社会の空気感を変えていきたい」と明るく笑う。

元記事:東京新聞デジタル 2026年3月22日

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