校則やめた桜丘中に尾木ママも感心 「子どもにそれぞれ居場所がある」 世田谷でトークイベント
岩岡千景 (2019年12月1日付 東京新聞朝刊)
生徒の自主性を大切にする東京都世田谷区立桜丘中学校の教育を未来へつなげようと、ライブトーク「桜丘中学校 ミライへのバトン」が11月30日、同区桜丘の東京農業大百周年記念講堂で開かれた。同中の保護者が企画。西郷孝彦校長と教育評論家の尾木直樹さん、麻布学園理事長の吉原毅さんが登壇。保坂展人区長の進行で、自ら考え生き抜く力を育てるため、教育を転換する必要性が語られた。
「子どもが主役になり、自立していける」
同中には校則がなく服装もそれぞれ生徒に任せられている。廊下に机が置かれ生徒が勉強し、チャイムも鳴らない。訪問した尾木さんはその光景に驚き、感心した経験を「自分の居場所を子どもたちがそれぞれに持っている」「一人ひとりに合ったスピードとやり方で子どもたちが主役になり自立していける。それを先生がサポートしている」などと語った。
吉原さんは、麻布学園も「自主自立」で、昔も今も「校則がなく自由」だと紹介。「規則を作って管理し処罰するのは楽だけど、そのやり方では物事を考えなくなり、人間も組織も駄目になる」と指摘。「自分の頭で考えて行動できる」人が育たないと社会への悪影響は大きいとして、変革の必要性を語った。
校則見直し→学力向上→見えてきた理念
西郷校長は「すべての子どもたちが3年間を楽しくすごす」学校目標や、そこへ行き着く経過などを説明。楽しい学校生活を送らせるため、最初に見直したのは校則、次に学力の向上で、映画「みんなの学校」を見たのも契機となり「愛情をもって生徒に接する」「一人ひとりを大切にする」「子どもとともに生きる」などの理念にたどりついたと説明。「社会にはまる人間ではなく社会を作っていける人間を育てる教育へ、価値観の見直しが迫られている」などと語った。
尾木さんらも「好きなことをやり尽くすことが学力を上げる」「国際的には自ら探究する教育が主流」と共鳴。保坂区長は教育現場は「皆さんの声で変わる」と来場者へ呼びかけた。
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