「うつぶせ寝で乳児が窒息死」母が水戸のベビーホテルを提訴 2年後にも死亡事故
迎えに行ったら顔は青白く、体が硬直していた
訴状によると、女性は2016年7月12日午後9時ごろ、水戸市大工町のベビーホテル「ひょうたん島」に、当時生後7カ月だった女児を預けた。
翌13日午前3時ごろ、迎えにいった女性の友人が、女児を元経営者から受け取ると、顔が青白くなっており、体が硬直していた。女児は、病院に搬送されたが、死亡が確認された。
母が涙の会見「反省の色ない。子どもを返して」
事故後の警察の調べに、元経営者が「女児はうつぶせで寝ていた」と説明していたほか、司法解剖の鑑定書で死因は特定されていないが、窒息死の可能性が指摘されていることから、原告側はうつぶせで寝ていたことによる窒息死が原因と主張。女児が預けられていた間に、元経営者が飲酒し、うつぶせの状態を放置していたと指摘する。
これに対し、元経営者側は「うつぶせの事実はなく、女児は体調が悪かった」と反論した。次回は5月22日の予定。
閉廷後、女性らが水戸市内で会見し、「被告には反省の色が見られない。子どもを返してほしい」と、涙ながらに訴えた。
茨城県が再三の改善指導…再び乳児死亡で施設廃止
このベビーホテル「ひょうたん島」を巡っては、女児が死亡した後にも男児が死亡する事故が発生している。茨城県は施設に対して改善指導を繰り返してきたが、事故を防げなかった。
施設は2012年8月に開所。茨城県福祉指導課の福祉監査室などが2015年度まで年に1回、施設に立ち入り調査し、保育士の資格がある職員がいない時間帯があるなど、改善点を指導してきた。
だが、状況が改善されないことから、2016年度からは届け出事務を所管する茨城県子ども家庭課(現・子ども未来課)が指導を担当するようになった。2016年11月に、保育士の有資格者のさらなる確保など「是正改善報告書」の提出を指示。2018年8月には、行政処分を視野に入れて立ち入り調査を実施した。
茨城県が再三にわたり改善指導をしていたにもかかわらず、2018年9月には生後2カ月の男児が死亡する事故が発生。その直後、施設から茨城県に廃止届が出された。
男児の死亡事故を受け、茨城県は検証委員会を設置。昨年9月に検証委がまとめた報告書では、男児はうつぶせで寝ており、被告となった元経営者を含め職員3人は全て無資格だったなどの違反もあったことが明らかとなった。
茨城県は施設名を公表しなかったが、検証委は再発防止のため公表するよう求めていた。それを受け、茨城県は3月、保護者が同意すれば、問題があった施設名について公表する方針を示した。
茨城県によると、女児については施設側の協力が得られず、検証委を設置することができなかった。
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