子どもも日焼け止めが必要です 高校時代に起業した大学生、保育園とともに開発した新商品発売
竹谷直子 (2021年4月22日付 東京新聞朝刊)
紫外線(UV)による皮膚トラブルの重要性を多くの人に知ってもらい、幼少期から日焼け止めを使う習慣を身に付けてもらおうと、東京都三鷹市の伊藤瑛加(えいか)さん(19)=中央大2年=が会社を設立、大容量・低価格化を追求し、3月下旬に市販第1号商品の発売にこぎつけた。子どもたちが手にしやすいよう、保育園などの事業者向けを想定している。
日本では禁止する学校が多いけれど
会社名は「Sunshine Delight」。太陽の下で安心して暮らせる環境をとの思いを込め、17歳の時に設立した。きっかけは農業を営む母だった。畑仕事をする中で、シミなどが目立っていたという。UVの影響を調べていくうちに、世界保健機関(WHO)や環境省もUVの人体への影響を発表していることを知った。
しかし、日本では幼少期から日焼け止めを使う重要性があまり認知されておらず、化粧品として少量で高価なことから手にしにくい問題があることに気付いた。「日本では、日焼け止めを禁止している学校や焼けている方が健康的というイメージがある。防止の必要性を伝えていきたい」と起業を決意した。
環境に配慮した紫外線散乱材を使用
2019年に化粧品大手コーセーとの共創事業に選出され、同社とともに開発に取り組む。20年には、16カ所の保育施設の園児約550人に実際に商品を利用してもらい、アンケートを実施。その結果を反映させて商品開発を進めてきた。
第1号の商品は大容量で環境に優しい紙パックの素材を使った。日焼け止めで一般的に使われている「紫外線吸収剤」は、塗った人が海に入って成分が流れ出た際、サンゴが死んだり弱ったりする「白化」の原因になると一部の研究者が指摘しているため、使用しない。その代わりに影響が少ない「紫外線散乱剤」を使った。価格は600ミリリットルの商品3個セットで1万6500円(税込み)。今後も低価格化を模索する。目標は30年後までにUVによる肌トラブルをなくすこと。「日焼け止めを塗ることを文化として定着させたい」と話した。商品の購入・詳細は、「JAタウン Sunshine Delight」で。
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