5~11歳のワクチン接種、受けるかどうかの判断材料は? 小児科医に聞きました
今月から順次始まる5~11歳への新型コロナウイルスワクチン接種は、小児科医の間でも是非について意見が分かれ、迷う保護者が多い。静岡県立こども病院小児感染症科の荘司貴代医師=写真=は今後ウイルスが強毒化したり、次の感染の波が来たりする可能性に際し「予測不可能な未来にどう対処するか、家族で話し合ってほしい」と呼び掛ける。
オミクロン株は軽症・無症状が多いが
静岡県が集計したデータによると、1月7日~2月18日の10歳未満の感染者6721人のうち、重症化した人はゼロ、中等症も3人で0.04%だった。荘司医師は「健康な子どもにとってオミクロン株はほとんど軽症の風邪か無症状」という。
荘司医師は、高齢の祖父母と同居したり、病気の家族がいたりする子には接種を勧める。妊娠中は重症化しやすいため、母親が妊婦の場合も推奨する。
ただ、現在のような状況が続くとは限らない。「デルタ株をワクチンによって制圧できた、と感じたのもつかの間、今度は免疫をかいくぐるオミクロン株が出てきた。接種率の低い途上国で変異株は生まれ続ける」という。その上で「ウイルスがさらに重症化させるよう変異する可能性もある中、少しでも免疫があった方がいい」という。
スポーツ、イベント…社会的事情は?
さらに、接種の是非を判断する材料として社会的事情も挙げる。
感染が流行した時期に参加希望のイベントがあっても未接種だと毎回検査を受けなければならず、海外旅行や留学で接種履歴を求められるなどの状況も考えられる。感染すると、無症状でも7日間の自宅待機を求められ、家族が感染しても濃厚接触者として隔離され、登校できなくなる。誰でも起きうる事態を想定し、「スポーツの選手として今が頑張りどき」「学校や保育園の友達と会えないのが寂しい」などと考える子には接種を勧めるという。
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