〈中倉彰子さんの子育て日記〉47・平等って難しいな

(2016年8月26日付 東京新聞朝刊)

中倉彰子さんの子育て日記

夏休みが回らない!

 昨年10月に会社(いつつ)を立ち上げてから、初めて迎える子どもたちの夏休み。シン(6つ)は保育所に預けられるのでいつも通りですが、小5のマイと、小2のマキは学校がなく、家にいることが多くなります。夫は毎日忙しく、私も泊まりの出張やイベントなどが重なり、これでは夏休みが回らない! 近所に住む伯母夫婦とも相談し、北海道に住む義母を呼んで、何とか乗り切ることにしました。

 子どもたちから「ママが(出張で)家にいないのも、もう慣れちゃったよ」と言われ、ちょっと複雑な気持ちに。先輩から「ママ、ママと頼ってくるのも小さいうちだけよ」と言われ、今この時期を子どもたちと目いっぱい過ごしたい、でも仕事もしたい…と、とても悩みます。

姉弟真ん中の我慢

 マキは3人姉弟の真ん中。最近反抗的な態度もよく見られます。姉と弟に挟まれて、何かと我慢することが多いような気もして、少し心配していました。先日、マキに「ママはシンばっかりかわいがってる」と言われてビックリ。3人同様に愛情を注いでいるつもりでしたが、長女と次女とは女同士でライバル的な存在になりがちな上、2人とも口が達者なので、大人げなく同じ土俵に立って口げんかをしてしまいます。その点、シンは「ママと一緒がいい」なんて甘え上手なもので、ついつい甘くなり、そんなふうに見えてしまったのかも。自分の行動を振り返り、これではいけないと反省しました。

 次の日、マイはバレーボール合宿に出かけ、シンはパパと遊んでいたので、マキと2人で、ゆっくりお風呂に入ることに。ママとデートしたいというので、そのコースを一緒に考えます。「まずはプールに行って、そのあとデパートに行ってパフェ食べて、それからシール2枚買って~」。ニコニコしながら話すマキ。姉弟といるときは、こんな表情しないなーと。3人それぞれ、短い時間でも母子2人だけで過ごす時間は必要なのかなと感じました。

 先日、自社で製作した「将棋手引帖(ちょう)」という入門書が完成し「これ一緒にやってくれない?」と声をかけると「うん、いいよ!」。3人のうち「負けるのが嫌だから」と将棋に一番消極的なマキですが、「できたよ! 百点つけて」と張り切って取り組んでいます。でもその様子を見たシンが「ママなんかきらい!」。おっとっと、ママ何も悪いことしてないのに…。子育てはホントに難しいな。(プロ棋士)

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