35歳の娘が2歳の孫にまだ母乳をあげています〈宮里暁美の子育て相談〉

(2022年9月20日付 東京新聞朝刊)

ひとりで悩まない 宮里暁美の子育て相談

どうやって止めるようにしたらいい?

Q 2歳の孫を子育て中の娘(35)がまだ母乳をあげています。自立心を遅らせないか気がかりです。どうやって止めるようにしたらいいかアドバイスを。(60代祖母)

母と娘のイラスト

イラスト・永須華枝

干渉はせず「リクエストに応える」姿勢に徹しましょう

A 孫は格別にかわいい!という声をよく聞きます。無我夢中で子育てをしていた自分の記憶ははるか遠くになり、孫が育つ様子は余裕をもって見られるだけに「こうしたら」と思うことも出てきます。質問を寄せてくださった方も、かわいい孫が育つ様子を見ながら、アドバイスしたいという思いが浮かんだのですね。

 でも伝え方はとても難しい。もしも娘さんが、初めての子育てを頑張っていたり、卒乳のタイミングに迷っていたら、アドバイスは受け入れにくいかもしれません。良かれと思って言った言葉も、受け取り方によっては「自分の子育てを否定された」となってしまう。それは孫の幸せや子育て中の娘さんの幸せを願っているあなたにとって望むところでは無いでしょう。

 私は、おじいちゃんやおばあちゃんはリクエストに応えるという在り方に徹することをお勧めします。頼まれたことをしたり一緒に遊んだりする。手伝ってくれる人がいると、子育てにも余裕が出て、娘さんの方から「お母さんはどうしていた?」と聞いてくるかもしれません。その時がチャンスです。「私はこうしていた」「こうしてみたらよかった」と自分の体験を話してみましょう。「こうすべき」という言い方ではないので抵抗感が薄れるようです。

 子育てが孤育てにならないように、おじいちゃんやおばあちゃんの役割はとても大きいです。「それでいいよ」と認めたり「そこ迷うよね」と共感したり、体験談を伝える。その根底に流れるのは「ゆっくりで大丈夫」「長い目で見ていこう」という姿勢だと考えます。

(宮里暁美=文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

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なるほど!

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グッときた

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もやもや...

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もっと
知りたい

すくすくボイス

  • みる says:

    うちの子は卒園まで飲んでましたが、大丈夫でしたよ?
    うちは甘えんぼで飲まないと眠れず…私も寝不足で倒れそうで、このお母さんからしたら、とんでもない!というような長期授乳でした。
    でも今、特に問題なく、立派に自立心もある子に育っていますよ?虫歯も、たまーに初期のが見つかったことはありますが、まわりの子と比べて多いということはありません。歯並びも普通です。

    お母さんである娘さんだって色々考えて毎日頑張ってると思います。外野がとやかく言うことでは無いです。
    早い子ゆっくりな子、色々いていいと思います。

    むしろ可愛がって、おばあちゃんがお菓子とかあげすぎないでくださいね?

    みる 女性 40代
  • 5児の母 says:

    私は5人全員母乳で育てました。歯は虫歯になる子、ならない子いましたが、3歳過ぎまでは全員母乳をしてました。
    歯ブラシをきちんとしても夜中に母乳を飲ませたら虫歯になる子もいて歯医者には小まめに連れて行きました。小学生になるまでに生え変わりますし、永久歯に生え変わるまで母乳の子はいません。
    歯の健康や、母の体力の事は気になりつつも、私の重きを置く点はやはり情緒です。”なんて母も子も幸せな気持ちになる時間なんだろー、授乳って幸せ”と、いつも感じて母乳あげてましたよ。
    第3者はとやかく言えないです。

    5児の母 女性 40代
  • まみーた says:

    アメリカ在住です。米国小児医師会は2歳以上にも母乳(食事と並行して)を推奨しています。我が家は3歳まで授乳していたのですが、医師は「歯磨きだけ気をつけて」「お母さんが辛くないなら」というスタンスでした。子どもには一切虫歯はありません。3歳になって子ども本人と話したら「もう赤ちゃんじゃないから飲まない」とピタッと欲しがらなくなりました。

    まみーた 女性 30代
  • 現実と理想とのはざま says:

    歯科で勤務していた時に3歳まで毎晩授乳されているお子さんの歯がボロボロで、親が良かれと思って続けている授乳による弊害で歯を使って食べる機能に支障をきたしている状況に遭遇しました。全ての乳歯の歯面が機械で触ると崩れてしまうため通常の歯の機能に戻す治療は施せませんでした。痛くて歯磨きもできないレベルでした。歯の状況を見るだけだと虐待レベルです。

    ここまでの例は極稀です。ですが、離乳食を開始後も夜間授乳が何年も続き、口腔内に糖分がある時間が長ければ長いほどむし歯に対してはハイリスクの状況という理解が必要です。むし歯の原因は砂糖だけではありません。お米の糖分でも歯は溶けます。母乳の糖分もしかりです。何年も授乳していると母乳中の成分の変化もありますが、糖分がゼロになるわけではありません。

    お子さんは赤ちゃんの頃よりも唾液分泌量が少なくなり、就寝中は誰もが日中よりも唾液の量が少なくなります。

    長期授乳を否定しているのではありません。続けるにあたり、口腔内の状況が生まれた時からの成長でどのように変化しするかも認識して、いずれ食事のみの生活になった時にも健康な歯で食事を取り、口腔機能を発揮できるように親御さんによる口腔管理が重要になります。

    長期授乳によるデメリットとして頭の隅にでも残していただけるといいなぁと思ってコメント致しました。

    現実と理想とのはざま 40代
  • 2歳の女の子の母 says:

    同じく授乳を続けながら2歳の子を子育て中の母です。
    私も断乳か卒乳かと悩みながら子育てをし、色々な方の体験談や助産師さんのお話、WHO の授乳推奨論などを見聞きし、授乳を続けるという判断に至りました。
    母乳育児についてはいつまで続けるかなど、とても繊細な問題だと思います。

    子育てについての考え方は年々変わります。今と昔とでは子供に対する接し方から全く変わっています。
    それに気づかず自分の考えを押し付けようとなさるお母様に憤りを感じました。

    心配なら今の時代の育児方法などもう少し勉強なさるべきです。
    その上で心に余裕をもって娘さんの育児を見守って差し上げてほしいと思います。
    実母だからって何を言っても、押し付けても良いわけではないと思います。

    2歳の女の子の母 女性 30代
  • 三児の母 says:

    今のママ世代とその親世代では、指導される育児の常識も内容がガラッと変わっています。
    特に卒乳時期については、世代間の認識が違いすぎる事柄だと私も体験しました。
    気になって様々な文献を読みましたが、海外ではもっと卒乳時期が遅い国の事例もたくさん。早すぎる卒乳はアトピーの原因にもなり得ると聞きました。人生の最初の何年間かぐらい心ゆくまで満足させてあげたらいいのでは、という私自身の考えで、第一子は3歳、第二子は5歳!ぐらいまでおっぱい大好きでしたが、特に何の問題もなくとても愛情深い子に育ってくれています。母子が密接して愛情を感じられる期間なんて、僅かなのですから、そこで思う存分味わいたい子は味わえばいいのだな、と体感しております。

    三児の母 女性 40代

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