茨城に県立高2校「つくばサイエンス」「IT未来」が開校 研究者や起業家を育てたい…しかし定員割れ
青木孝行 (2023年4月12日付 東京新聞朝刊)
新年度、茨城県立の「つくばサイエンス高校」(つくば市)と「IT未来高校」(笠間市)が開校した。ただ、両校とも定員割れとなっており、生徒集めに課題を残す船出となった。
理系大を目指す「つくばサイエンス」
つくばサイエンス高は、つくば工科高の機械科やロボット工学科など4学科を集約し、科学技術科に改編して設置。理系大学への進学を想定し、1年次で理科の基礎3教科(物理、化学、生物)を履修する。
IT未来高は友部高(普通科)の校舎に新設した。IT科だけの単科で、定時制昼間2部制(午前・午後の定員各40人)。コンピューター、プログラミング、マルチメディアの各教室にパソコン、タブレットを備え、情報機器に触れる機会を充実させる。
いずれも、教育カリキュラムを一新することで、将来の研究者や起業家を育てる狙いがある。
定員240人のところ、新入生は88人
だがつくばサイエンス高は、定員240人に対し新入生は88人にとどまった。茨城県教育委員会は、要因を「理系大進学などハードルが高くなったため、敬遠されたのではないか」と分析している。
IT未来高は、午後の部で新入生25人と定員割れに。県教委は「夜間授業だと思われたのではないか」とみる。
7日、IT未来高では入学式に先立ち、森作宜民(もりさくよしたみ)県教育長が「起業家精神を兼ね備えた、デジタル社会を支えるIT人財を育成する学校となるように祈念する」と開校を宣言した。
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知りたい
研究者を育てたいという国の方針は理解できるし、私自身が強く願っていることでもある。しかし、現状は博士号取得者の出口ができていないことが彼らの立場を危うくしている。この問題については多くの論文が書かれているのでjstage等を使えば資料もすぐに集められる。是非、筆の立つ方が取材をされ、記事にして頂けないだろうか。
日本は地下資源がないから、頭脳を資源化するしか未来がない。自国に誇りがもてないのは大きな不幸だ。研究者の「卵」が置かれている厳しい状況を報告願いたい。
元他都道府県教員で、つくばにも住んでいたことがある。
私が勤務していた都道府県では、進路決定を後回しにしたがる生徒が多かった。平均以上の学力を持っていても、普通は近隣の普通科高校に進学してしまうのだろう。折角の公立校なのに定員が多すぎるような気がする。生徒の数を半分にして教員の数を増やすのが良いと思う。手厚い指導をウリにできる。また保護者は受験を失敗した場合の就職先も気にするので、高等専門学校の形にするのも一考。これも一般論だが、高専の生徒は進学先・就職先からの評判が非常に良かった。