Tシャツ買って地元小学校に楽器を贈ろう 葛飾区の有志グループ 今年はプロがデザイン

加藤健太 (2019年6月17日付 東京新聞朝刊)
 オリジナルTシャツを売った収益で地元の小学校に楽器を贈るプロジェクトを、東京都葛飾区の有志グループが続けている。5年目で初めてプロのデザイナーがイラストを担当し、より幅広い年代に手に取ってもらえるように仕上げた。今年も販売の時期を迎え、メンバーは協力を呼び掛けている。

販売するオリジナルTシャツを着て協力を呼び掛ける菊永健吾さん(右)と山口翔さん=東京都葛飾区で

“レペゼン金町”飲食店主ら6人「街を音楽で盛り上げよう」

 有志グループは金町駅周辺の若手飲食店主ら6人でつくる「レペゼン金町」。音楽好きのメンバーたちは2015年、「愛着のあるこの街を音楽で盛り上げよう」と活動を始めた。小学校で楽器が足りていない事情を知り、楽器を寄付することにした。

 資金集めのため、絵が得意な知人にTシャツのイラストを頼み、毎年デザインを変えて、これまで計約1800枚を販売。地元の店舗も協賛し、受注の窓口となってきた。協賛店として協力してきたスポーツジム経営の山口翔さん(37)は今年からグループにも加わり、「ともに盛り上げていきたい」と意気込む。

トランペット、和太鼓など13校に寄贈 今年は特別支援学校2校へ

 各学校の状況を聞き取った上で、トランペットやドラムセット、和太鼓などの楽器を購入、金町駅周辺の13校に、総額120万円分以上を贈ってきた。昨年は北野、水元、東水元の3つの小学校に10万円分ずつの楽器を届けた。今年の贈り先は区内2つの特別支援学校に決まっている。

 発起人で飲食店経営の菊永健吾さん(41)は「学校に呼んでもらい、贈った楽器で演奏を聴かせてくれた時は感動した。本業との両立は大変だが、やって良かったなと思えた」と語る。

楽しげに演奏する子どものイラストTシャツ 1枚2500円

 今年のTシャツは黒を基調に、楽しげに楽器を演奏する子どものイラストをあしらった。知り合いのデザイナーが企画に賛同して無償で描いてくれたという。昨年3000円だった価格は経費を見直して1枚2500円にした。サイズはS~XLまで4種類。15日に販売を始め、約80の協賛店舗で7月31日まで注文を受け付けている。

 菊永さんは「子どもたちが音楽に親しむ機会を増やしたい。今後は金町駅前で音楽イベントも開いてみたい」と構想を膨らませている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年6月17日

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