学童保育「朝のサービス残業」に職員から反響続々「飲食店ならありえない」 専門家も「時間外賃金を支払うべき」
20分前に出勤し清掃、書類、電話番…
「まさに現在、私がやっていること」。複数の学童保育で働いてきた栃木県の男性は「勤務開始20分前には出勤して清掃、書類整備、電話番をしている」という。別の職員は、保護者が子どもを早くに連れてくるため「開所20分前には出勤しなければならない」と吐露。朝のサービス出勤を強いられているという。
反響は九州や関西からもあった。特に多かったのが、学童保育の職員のほか、同じく子どもを預かる保育所や小学校の現場からだ。
民間保育所でパートをしていた神奈川県の女性は「子どもたちの登園までに済ませておくべき業務リストが示されていた」。日常以外にも夏はプール、冬は加湿器の準備などがずらりと並び、勤務開始の1時間前に出勤していたという。
都内の女性教員は勤務時間前から出勤し、登校の児童を迎える準備をしている。「デパートや飲食店でお客さんの入ってくる時間と、従業員の勤務開始が同時なんてあり得ない。でもなぜか、教育の場ではあり得る」と疑問を投げかける。
女性が多い職場だから、表面化しない
「今さらどうしようもない」「上司ともめたくない」という諦めムードの中で、仲間と上司に掛け合い、サービス出勤状態を是正した経験のある元公務員の女性(61)からは「記事がきっかけになり、少しでも働きやすい環境が整えば」とのエールが届いた。
他に「保育・教育・介護などの現場は働く人の多大な善意に支えられている」「学童保育は圧倒的に女性が多い職場であることが、問題が表面化しない要因かも」との意見もあった。一方で、サービス出勤の肯定とみられる声もあった。
声を上げるには? 1人で入れる労組も
勤務前の準備としては、作業着の着替えが労働時間に含まれるべきで賃金が払われないのは不当だとして、三菱重工業長崎造船所の従業員が会社を相手取り起こした訴訟で、最高裁は2000年3月、着替えは労働時間に当たるとして、賃金支払いを命じた。
日本労働弁護団常任幹事の岡田俊宏弁護士は、江戸川区の学童保育を巡る問題に「換気や清掃、引き継ぎなどは子どもを受け入れるために必要な仕事で、時間外賃金を支払う労働時間とみるべきだ」と指摘する。
その上で「今回の事例に限らず、仕事に誇りを持ってきちんとやりたいという職員の思いに、使用者側が乗っかっているのが実情」と分析。解決策として「使用者が現場の意見を聞き、労使が納得いく形で決めていくのが理想。だが、雇用継続の不安があり、職員の側から言い出しにくい場合もある。1人でも入れる労働組合を通じて団体交渉する方法もあるので、諦めずに声を上げてほしい」とアドバイスした。
江戸川区は時間外手当の支給状況調査へ
「ニュースあなた発」で紹介したのは、江戸川区の学童保育で働く50代の非常勤職員からの訴えで、夏休み期間中などの1日保育の際、部屋の換気や清掃、児童の出欠管理などの開所準備が、賃金が発生しない時間外労働になっているとした。
これに対し、江戸川区教育推進課は「前日の閉所後に準備は済ませており、朝は仕事がないのが原則」と回答したが、本紙報道を受け、過去3年間にさかのぼり、時間外勤務手当支給状況の調査実施を決めた。担当者は「原則は変わらないが、調査結果を踏まえて検討する」としている。
東京新聞の調べでは、23区の学童保育で、運営を民間に全面委託している6区を除く17区のうち、江戸川区のほか江東区、大田区、世田谷区、杉並区、葛飾区など11区が、開所時間と職員の出勤時間が同じで、開所前準備は時間外労働であることが分かった。
学童保育
共働きやひとり親家庭などの小学生を放課後に預かる事業。放課後児童クラブとも呼ばれる。2023年5月1日時点の速報値で約144万5000人の子どもが利用する。定員超過などの理由で利用できない「待機児童」は同時点で1万6825人。預け先がなく、親が離職を迫られる「小1の壁」が指摘されている。23年4月に発足したこども家庭庁が事業を所管している。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
早番は駐車場のチェーン外し、カラーコーンを移動など園に入る前からサービス勤務(残業)です。遅番では延長保育の子供がギリギリで来るので、その後は29分サービス残業です。30分過ぎた時は「要領が悪いのでは?」と言われ残業にならなかったです。
結局保護者の相談に乗ろうが、何だろうが規定の勤務以外の賃金は発生しません。
名ばかりの「幽霊保育士」もシフトには居ます。「幽霊保育士」の仕事は社員さんの負担に。「幽霊保育士」の補助金はどこに行くのか?
保育室の玩具や本は先生方のポケットマネーで購入の物達で溢れてます。玩具の補助金はどこに行ってるのか?
園長はシフト上は毎日出勤ですが…姿は週に2・3度の2・3時間。監査は何を見て、何をチェックして何を信じてるのでしょうか?「詐欺」「横領」「偽装」とかにはならないの?疑問ばかりです。
サビ残だけでなく、寄付圧力やボランティアの強制も記事にしてもらえたら嬉しいです。
大阪市内の子どもの福祉施設で勤務してますが、ポケットマネーからの寄付を強制されますし、自費出版の書籍やらチャリティグッズやらでトータル五万円ほど持っていかれます。バザーなどのボランティアもあります。
子どもは可愛いですが、サビ残、寄付の強制、ボランティアでモチベが落ちる自分が間違っているのかと思ってました。
保育士として、正規職員、パートで30年以上勤務しています。公立フルパート以外は、サービス早出・残業、休憩なし、書類と準備物や制作物の持ち帰り…×30年=一体いくらになるのだろうか?安月給と言えども、数百万円超、軽く年収は超えていると思います。
今から貰えるなら、もちろん受け取るけれど、何の痕跡も残っていない…タイムカード?ほぼない…あっても、時間で切ってから残業や持ち帰りなので、意味無し。
ストレスも加わり、病気で退職を強いられた事、数回…。それでも、この仕事が好きなのですよね(^.^;
認可保育園勤務です。行事前は残って準備当たり前。当日は1時間〜30分前に出勤当たり前。主任に言ったら、ずっとこれでやってきてる。と。だから、職員どんどん辞めるんですよね。園長はわかってくれて、超過勤務申請出せば良いと、、それでも主任は腑に落ちない感じ。時代に合わせていけるよう園長、もしくは市とか国から指導してほしいですよね。
認定子ども園勤務です。出勤は7時15分からですが6時45分には出勤し、掃除から電話対応。当たり前のように皆こなしています。
私は入職が4月からで、初めはこんなの絶対おかしいと思っていましたが、慣れですねー。当たり前のようになってます。
監査で何を見てあるのでしょう!もっと現場の働き方を見てほしいです。
公立保育園勤務です。
勤務時間は、やはり着替えの時間や保育準備等は含まれておらず、勤務後の保護者対応や保育室の片付け、点検、その日の書類記入、引き継ぎ等は、報告してからの超勤対応です。正確に報告してたら、労基にひっかかりかねないなぁと。
正規、パート共に勤務前、勤務後は、全てサービスです。記事で皆さんの疑問や不満を知り、確かにと思いました。公立園は、職員が公務員にあたり、皆さんの税金を使わせて頂いてるので今まで、それが当たり前と思って、勤務していましたが、それぞれの職種でも、同じように疑問や不満が出ていると知りました。学童、学校には、保護者側として、職員の皆さんに頭が下がる思いです。
こういうところも、市町村、県、国がそれぞれ、職員が働きやすい職場作りとそれに見合った賃金制度の見直しをしないと、特に若い世代の保育士、教員ばなれに繋がり、待機児童を増やしたり、保育園、学童への入所困難を招く結果につながると思います。かといって、何から始めればよいのかわかりませんが、組合や署名活動で、わたしたちの職場、環境改善を要求していく必要があると感じました。
株式会社が運営する保育園で働いています。開園が7時00分なのに対して勤務は7時00分からしかつきません。開園準備はボランティアです。
また最後の園児が帰る予定の時間までしか勤務時間に相当せず、お迎えが遅かったりしても遅番が残って当然。園児が帰ってからの閉園準備も勤務はつきません。
私はパートで日中帯しかいないので不利益は無いのですが、正社員の若い子たちが本当にかわいそうです。こどもが好きでこの仕事を選んでいるのに、やりがい搾取され、正当な賃金も支払われず、それが株式会社を名乗りどんどん新設園を増やしています。
学童も同じなのか、と記事を見てがっかりしました。これな状況であれば、専門職でなくてもアルバイトやパートで特別な技術を必要としない職種で給料がよければそちらに流れて当然です。
保育園、学校、学童など、こどもの命を預かっている場所を軽視しすぎでうんざりです。
保育園勤務です。
うちは朝だけでなく、子どもが帰った片付けもサービスとなっています。
困るのが、これは業務外だと信じて疑わない園長です。
自分が間違っているのかと思いましたが、やはり正しいのかと勇気をもらえる記事でした。