俳優 糸瀬七葉さん 両親とのテレビ電話に支えられ…多い時は週4、5回 初主演もすぐ報告

大野雄一郎 (2024年9月29日付 東京新聞朝刊)
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ドラマの主演について家族が喜んでくれたと笑顔で話す糸瀬七葉さん=東京都港区で(武藤健一撮影)

家族のこと話そう

ピアノコンクールで培った度胸

 4歳から習っているピアノが特技です。母がいつも付きっきりで練習に付き合ってくれました。

 先生から教わったアドバイスを母がノートにメモして、私はそれを見ながら練習していました。幼稚園から帰った後のレッスンが眠たくて、横にいる母に「起きなさい」と言われながら弾いていたことも覚えています。ピアノのコンクールに出ることで舞台に立つ度胸が付きましたし、表現の幅も広がりました。

 12歳で「2017ミス・ティーン・ジャパン」のオーディションを受けたときも、最初は審査員の前でピアノを弾こうと思っていました。でも、ピアノを弾ける子なんてたくさんいるし、かわいい子もたくさんいる。だったら何か印象に残ることをしたいと考え、家族と相談し、本番ではピアノを弾いているふりをしながら弾き語りするという「エアピアノ」を披露しました。これまでピアノの発表会で舞台に立ってきた経験がありましたし、何より家族が練習にたくさん付き合ってくれたので、緊張しませんでした。

食卓での家族との会話が原点

 高校卒業後は上京して芸能活動をしていますが、家族と離れるのは寂しかったです。実家では、両親と2人の弟の家族5人で夕食の食卓を囲み、その日の出来事をみんなで話すのが日課でした。上京前は、台本を読むのを家族に手伝ってもらったことも。なので、1人で食事をしていると「家族との時間はすごく幸せだったんだな」と強く思います。

 今も、多いときには週に4、5回のペースで両親とテレビ電話をしています。楽しかったことや悔しかったこと、仕事のこともプライベートも全部、共有しています。逆に母の仕事の話を聞くこともあって、そんなときは「自分もちょっと大人になったんだな」と思います。実家に帰る頻度も割と高いほうです。やっぱり家族と一緒に過ごすと、嫌なことも忘れられるし、元気を与えてくれる。なくてはならない存在です。

 11月に放送されるドラマ「忘れっぽいハムレット」で主演を務めることが決まったときも、両親にすぐ電話しました。主演が目標だと言い続けていたので「やっとかなってよかったね」と喜んでくれました。

 ドラマでは、軽度認知障害のある祖父と、その孫娘が市民芸術祭の舞台「ハムレット」出演に向けて奮闘する姿が描かれます。孫に対しても自分の意見を貫き通すけれど、内心では孫をとても大切に思っている劇中のおじいちゃん。優しいところは、私のおじいちゃんとも似ています。ドラマへの出演を通じて、おじいちゃんが元気なうちに、活躍している姿をたくさん見せてあげたいと感じるようになりました。ずっと「自慢の孫」でいられたらいいなと思います。

糸瀬七葉(いとせ・ななは)

 2003年、愛知県出身。「2017ミス・ティーン・ジャパン」でグランプリ受賞。フジテレビの情報番組「めざましテレビ」でリポーターを務めるほか、ドラマ「ジャンヌの裁き」(テレビ東京系)などに出演。11月9日に放送される愛知県大府市を舞台にしたドラマ「忘れっぽいハムレット」(テレビ愛知制作、テレ東系)で自身初の主演を務める。

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