7歳でやっと後追い卒業、うれしいけど少し寂しい一人時間〈古泉智浩さんの子育て日記〉58
王女様のような扱いのぽんこちゃん
ぽんこちゃんが後追いをしなくなりました。もう7歳なので当たり前だし、ずっとされていても困るし、一人の時間が確保できて助かります。でも少し寂しいです。なにしろうちは子どもと血縁の裏付けがなく、愛着の発達は当たり前ではありません。
愛着を育むために、抱っこはよほどの事情がない限り全て応じて、他の要望にもできるだけ応えています。そのためすっかり王女様のような扱いで、しつけがまるでできていません。叱っても全く言うことを聞かず、むしろ逆上させるばかりです。おかげで恐らく愛着の形成は、問題ないと思います。
先日、里親資格を継続するための研修が児童相談所でありました。「ペアレントトレーニング」という講義を受けました。できるだけ子どもを褒めて、わがままを言われても叱らず「ダメだよ」など負の言葉を用いずに導く、というような内容です。自画自賛で恥ずかしいですが、半分くらいできているのではないかと思いました。
激怒したら、最近は「距離を置く」
ぽんこちゃんはよく激怒します。以前はこっちも負けないように言い返していましたが、最近はそうなったら放置です。ペアレントトレーニングでも、距離を置くといいとされていました。ぽんこちゃんが怒鳴り始めて止まらない時は「うるさいからあっちに行ってて」と言います。すると「もういい! パパだいっきらい!」と言って部屋を出て行きます。
その後はそっとしておくと、10分か15分くらいで「パパ、ごめんなさ~い」と泣きながら戻ってきます。別にこっちは悪くもなんともないですが、「いいよ、パパもごめんね」と言って抱っこして、ご飯を食べさせます。特に夕方、意味不明なことで怒り出すと毎回このパターンで、「なんだろこれ?」と思います。
そんな日々は続いていますが、最近は僕の部屋にあるテレビで、小学生の姉妹がホテルで豪遊するユーチューブ動画などを楽しそうに見て過ごすようになりました。以前は僕が隣にいないといけなかったので、スマホを見ながらやり過ごしていました。買い物には目の色を変えてついて来て、週末に一人になれる時間はほぼゼロでした。
たまにテレビを見ている隙に内緒でスーパーに行って「あ~一人だ~」とリフレッシュしてきた場合などは怒り狂っていましたが、今は「これ見てるから行ってきて」などと言います。以前は僕がトイレに行く時もついて来て、ニヤニヤしながら用を足すのを見ていました。それも最近はすっかりなくなりました。
古泉智浩(こいずみ・ともひろ)
漫画家。養子の10歳男児うーちゃんと、7歳女児ぽんこちゃんを育てる。
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