不妊の原因、半数は男性側 正しい知識を持とう 相談サイトや検査キット続々登場
男性は1人で悩みを抱え込んでしまう
「不妊治療のことは、人に言いづらい。特に男性は1人で抱え込んでしまう。妻の側も夫を責めるようで口にするのに気を使う」。不妊治療に役立つ情報サイト「coel(コエル)」を開設した、東京都港区の伊藤ひろみさん(35)は話す。
伊藤さんは、たまたま夫婦で精子や卵子の状態を検査する「ブライダルチェック」を受け、夫の駿さん(32)が無精子症であることが分かった。治療を受け、長女を出産するが、原因が分からないまま不妊に悩んでいる人たちは多いのではないか、と思った。
出産から半年後の2016年10月、専門医の記事などを載せるサイトを始めた。現在は、同じ病院に通う治療仲間を探すことができるマッチングサービスも始め、相談相手を気軽に見つけられるようにした。
男性不妊の治療に30年以上携わる、独協医科大学埼玉医療センターの岡田弘主任教授は「産婦人科医はほぼ女性しか患者を診ていない。今、男女とも診られる医師を育てようとしている。不妊は他の病気が分かるきっかけにもなり、検査は個人の健康管理にもなる」と話す。
「正確な情報がないと、男性は何をしたらいいか分からない。自分も妻とめちゃめちゃけんかした」。「妊活」を経て、子どもを授かった石川勇介さん(35)は、自らの体験を踏まえた相談サービス「ファミワン」を6月に始めた。LINE登録し、簡単な質問に回答すれば、日本生殖看護学会の認定看護師ら専門家の助言を無料で受けられる。よりくわしく電話で相談できる有料プランもある。
自宅で手軽に精子検査できるキット
TENGA(港区)は16年、社内ベンチャーで医療や教育、福祉分野を扱う「TENGAヘルスケア」を立ち上げ、自宅でできる精子検査キット「メンズルーペ」(税込み1620円)を発売。「妊娠検査薬と同じ手軽さで買えるように」と、ドラッグストアの同じ棚で販売する。
リクルートの子会社「リクルートライフスタイル」(千代田区)も同様の検査キット「Seem」(税込み4980円)を開発した。担当の入沢諒さん(33)は「女性は生理があるから自分の体に向き合うが、男性は全然。2人でやるもの、が当たり前になるといい」と話している。
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