<記者の視点>不妊治療を経験した立場から 体外受精などの保険適用こそ少子化対策
野党が提言「心身の負担に苦しむカップルに支援を」
立憲民主党は先月末、保険適用に向けた議論の促進を柱とする提言を厚生労働省に提出した。党ワーキングチームの阿部知子座長は、提言発表の記者会見で「不妊に悩む多くのカップルは心身の負担に苦しんでいる。せめて経済的負担を軽減させたい」と訴えた。保険適用に伴う国の財政負担増について、国民的な合意形成に向け、国内の治療実態の調査も同省に求めた。
支援の動きは、他の野党議員にも広がっている。国民民主党の源馬謙太郎衆院議員は先月下旬、インターネットを通じて知り合った不妊治療の当事者たちと意見交換し、保険適用に関する超党派の検討チームを作る考えを表明した。日本維新の会の音喜多駿参院議員も保険適用を求める政策をSNSで発信している。
夫婦の5.5組に1組が治療経験 私も手術の末に…
国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査によると、不妊治療を受けたことがある夫婦は5.5組に1組の割合という。日本産科婦人科学会の集計では、体外受精や顕微授精などの「生殖補助医療」で生まれた新生児は2017年に約5万6000人、同年までの累計は58万人いる。
私自身も不妊治療を受けた一人だ。精子を作る機能が低下する男性不妊症の「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」を患い、手術で精子の質を改善させた末に、第一子を昨年6月に授かった。誰にでも降り掛かる身近な問題だと身をもって体験した。
◇川田記者の体験記〈男性不妊・僕がパパになるまで〉1・診断 ショック…まさか自分が原因とは
生殖補助医療は保険適用外 平均で「約190万円」
生殖補助医療は保険適用外で、ウェブメディア「妊活ボイス」は、平均の治療費を約190万円と試算する。国などの助成制度はあるが、夫婦あわせて年収730万円の所得制限がある。
不妊治療の当事者が保険適用を求める署名サイト「change.org」には「顕微授精を何度かしましたが、最終的に金銭的な理由でやめることにした」「国の不妊治療に関する理不尽さや法整備の甘さに歯がみしてきた」など痛切な声が並ぶ。
厚労省「疾病なのか判断難しい 」 仏独では保険適用
厚労省は保険適用の条件として、疾病に対する治療の有効性などが確立されていることを挙げる。体外受精などは患者の生殖機能を直接改善させる行為ではないため「疾病に対する治療なのか判断が難しい」として、長年適用対象としなかった。
だが、フランスやドイツなどは不妊症は疾病という認識から、受ける回数などに制限を設けた上で生殖補助医療に保険を適用している。日本も加速化する少子化を踏まえ見直すべきではないか。野党の提言に政府・与党がどう反応するか注視したい。
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知りたい
不妊治療が保険適応になり、治療が受けられる人が多くなれば少子化に歯止めがかかるかもしれません。
ですが、今この世にいる子供が成人するまでの塾代、大学の学費などにも目を向けて欲しいと思います。
実際、塾や大学に行かせるお金がない人も周りにいます。
奨学金もありますが、いざ返済!ってなったとき返済できない人たちもいます。
子供が産まれたら終わりではなくまだまだ長い人生がありますから。
病気じゃ無いから保険適用外??
他人事なのが見え見えだな。少子化の原因が晩婚でさらに不妊治療が増えまくっているのに。
早く結婚しないから悪い、出来ない女性が悪いって程度で考えているだろう。で、10年後にもやっと重い腰をあげて保険適用にして、今の30代40代の氷河期世代だけがやはり一番ハズレくじ世代になるのが見え見えだな。
まぁそう考えれば、子孫なんて残さなくても良いのかなって感じるようになってきた。治療を進めれば進めるほど、なんで少子化に貢献したいのにこんなにお金がかかるんだよ。産んでからが一番お金かかるのに、産む前にペナルティーのように借金や貯金無くして、その後の生活なんて想像つくだろ。
芸能人や金持ち以外はまず、子ども=お金払ってでも欲しいを続けられません。不妊治療は1回でつまずいたり失敗したら 大抵結構な金額に突入する。治療って言っているが全て10割負担です。尋常じゃ無い金額ですよ。
注射35000円、85000円、50000円、そして採卵で150000円がさらっとなくなります。そのあとも体に入れる時点で300000円が普通にかかる。不妊治療の人でも採卵で少ない人は 何度も採卵することになる。それが一番高額になってしまう。
「少子化対策というなら保険適用でなく税金を使えばいいと思う。病気の話と政治の話は違うと思うから。」他のコメントで心ないコメントがあるが、保険適用が無難であって、人によっては回数も変わるから、いくらかかるか? 総額は?ってのが決まっていない状態なんです。だからこそ経験者が訴えているのです。一般論がそういう風な人が多いから進まないんでしょう。
私も顕微受精での不妊治療を経験しています。その時感じたのは、不妊治療でも体外受精などの保険外診療はいわゆる自由診療のため、治療内容の不透明さや金額設定の曖昧さ、投薬時の薬剤情報がおなざりになっているなどの、いわゆる医療者が好きなように診療している印象がありました。
それでも治療を受ける側は、わらをもすがる思いなので文句も言わず診療を受ける。という方程式になっています。極論的な表現ですが分かりやすく言うと、他人の弱みにつけこんでやりたい放題。というところでしょうか。医療の不透明さを感じました。
不妊治療外来は確かにどこのクリニックも患者が溢れ、それをさばいていくのだけでも大変なのは分かりますが、例えば、本来ならここできちんと同意が必要なのに簡素化している。だとか、重要なことなのに説明が曖昧。だとか、よく感じました。
同じホルモン剤を投薬されているのに、隣の患者さんは保険適用のためきちんと薬剤情報提供書が出され、私は保険適用外なので薬情はおろか説明すらないなんてこともありました。自由診療は診療報酬と直接関わりがないだけに、業務で煩雑なことは省きたいのでしょうね。
私の場合は、自分が医療従事者だけにそういった裏を余計に感じたのかもしれません。
不妊治療は疾患治療ではありませんが、医師の指示の元で通院や治療の計画をしていくわけですから、諸外国のように年間で回数を設定するなどのある程度の縛りを決めて、手技に関係なく不妊治療の全てが保険適用にすべきだと私は思っています。
不妊症の原因は年齢だけではなく、身体や遺伝子などの一部に何らかの異常があることによって引き起こされている病気であって、WHOも疾病として認めている。実際、日本でもタイミング法と呼ばれる簡易な治療は保険診療だが、原因によっては体外受精まで行って初めて治療できるものも多い。
また、保険診療にならないことにより適切な情報開示がなされない、患者が医療機関の言いなりになるといった課題も出ており、生殖医療の質の担保という意味でも、年齢制限などを設けることで、これらの年齢因子ではない不妊治療については全面的に保険適用すべきだと思う。
少子化と言っておきながら、なぜその対策をしないのか。禁煙外来は保険適用なのに(自ら好んでタバコ吸ってるのに)、日本の未来を担う子供を作ることに対し、なぜ保険適用にならないのか。
現在の政治家は、年配の男性が大半を占めている。昔は、子供なんて当たり前に出来てたという感覚なのかもしれない。現在は女性の社会進出による晩婚化や、ストレスの多さなどから、妊娠しにくい人が多いのが現実。不妊治療は精神的、肉体的、経済的にとても辛いもの。せめて経済面で国家に支えてもらいたい。
不妊症は病気ではないと思うから保険適用はするべきでない。子供がいなくても命にかかわらないから。
いつも子供の話になると幸せ不幸せの情緒に流された話になる。今回の記事もそう(記者の体験談だから余計にそうなるのは仕方ないかもしれないが)。
少子化対策というなら保険適用でなく税金を使えばいいと思う。病気の話と政治の話は違うと思うから。