「赤ちゃんポスト」墨田区の病院も準備 江東区に続き都内2例目の構想、2024年度の導入目指す
井上真典 (2023年9月29日付 東京新聞朝刊)
親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる「赤ちゃんポスト」を設置する準備を東京都墨田区の「賛育会病院」(199床)が進めていることが、病院などへの取材で分かった。
「内密出産」や予期せぬ妊娠の相談も
病院以外に誰にも身元を明かさない「内密出産」や予期せぬ妊娠などに対応する相談事業の体制を拡充する「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」として2024年度からの運用を目指し、本年度に入り、都や区と調整を進めてきた。
「貧困や虐待・家庭崩壊、ジェンダーなども大きく影響する課題解決に向けた一助となるため、病院の機能を強化・拡充する」としている。病院を運営する社会福祉法人賛育会本部が相談事業を担い、病院が赤ちゃんポストと内密出産を行う体制を整える。
都内では江東区が発表するも進まず
赤ちゃんポストは、熊本市の慈恵病院が2007年5月に「こうのとりのゆりかご」として国内で初めて設置した。
都内では、小児科医院などを運営する江東区の医療法人社団「モルゲンロート」が2024年秋を目指し、赤ちゃんポストを設ける計画を発表したが、現時点では設置場所が確保できていない。賛育会病院の取り組みが具体化すれば、医療機関では国内2カ所目の赤ちゃんポストとなる。
賛育会病院
社会福祉法人賛育会が運営。東京帝国大学キリスト教青年会(現在の東京大学YMCA)の有志が1918年3月に設立した。庶民向け産院の草分けとして知られる。産婦人科や小児科、外科など幅広い診療科を備え、年間12万人の患者が訪れている。小児周産期医療と急性期医療の拠点にもなっている。新型コロナウイルス禍には、約100人の陽性妊婦を受け入れてきた。
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望まない出産をして、育児放棄、虐待するする人がいるのだから、赤ちゃんポストって、必要なシステムだと思う。