人生やり直す? 億万長者になれるとしても、この子たちに会えないなら嫌だ〈ヨッピーさんの子育て日記〉7

(2026年1月28日付 東京新聞朝刊)
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カフェで大好きな「イチゴミルク」を飲む長男

 ヨッピーさんの子育て日記

「今の記憶を持ったまま0歳から…」

 「今の記憶を保ったまま0歳からやり直せるボタンがあったら押す?」みたいなやつ、あるじゃないですか。子どもが生まれるまでの僕は「押す!」派だったんですよ。今の記憶を持ったまま生まれ直せば、億万長者になれるじゃないですか。安いうちに米アップルの株を買い、エヌビディア(米半導体大手)の株を買っておけば、ン百億円のお金はつくれるでしょう。

 その収益でニューヨークのど真ん中に「ヨッピータワー」みたいな名前の世界一高いビルを建てて、最上階でバスローブ着て赤ワインを片手にペルシャ猫をなでる。そんな生活ができるじゃないですか。なので「押す派」だったんですけど、子どもが生まれてから考え方が変わったんですよね。

 「押さない派」になっちゃった。だって「もし0歳からやり直して、今の奥さんと出会って子どもをつくったとしても、この子たちが生まれてきてくれる可能性ってほとんどゼロなんだよな…」って思うと、怖くてもう押せない。

1兆円あげる、と言われたとしても

 だって、この子たちにもう会えなくなるなんて絶対に嫌ですもん。「1兆円あげるからおまえの子どもちょうだい」とか言われても嫌。憎たらしい顔をして「やだプー」と言うと思います。そう考えるととんでもなくないですか。「自分の子どもの存在」って。億万長者になれることが確約された新しい人生よりも子どものほうがデカいってことじゃないですか。ペルシャ猫をなでる生活よりも狭いマンションで「コラ! ちんちん出して走らないの!」って、パンツ持ってお風呂上がりの子どもを追いかけ回す、今の生活の方が大事ってことじゃないですか。

 つまり自分の子どもにはお金なんかよりも強く、尊い価値があるってことで、それって冷静に考えるととんでもねーな、って思うんです。これ、子どもを持つ親なら共感してくれると思うんですけど。

かわいさと尊さがあふれて泣きそう

 子どもが生まれたことで「競争から降りた」みたいな側面はあると思うんです。「お金でどうにかなるもの」より大事なものが手に入ってしまったから、そういう価値観に対して「割とどうでもいいな」って冷めた目で見ちゃう。

 「お金や社会的地位よりも圧倒的に大事なもの」が手に入ってしまう確率って奇跡としか言いようがない。そう考えると自分の子どもに対する「尊さ」みたいなものがあふれてきて泣きそうになっちゃう。カフェでイチゴミルクをすする長男を見ていたら、かわいさと尊さがあふれ出て「なんでそんなにかわいいの?」って聞いてみたんですよ。そしたら「知らなーい」って一蹴されました。親の心、子知らず。

ヨッピー

 ライター。家事時短術を発信し、4歳長男と2歳長女の子育てを楽しむ。 

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