〈坂本美雨さんの子育て日記〉14・突発性サバイバル
オットよ!頼む!
先月、2歳の娘が突発性発疹をやりました。今まですべてのライブや地方への旅に連れて行っていたのですが、その週末は大分でライブをした次の朝に岩手県花巻市へ飛ぶという慌ただしい行程で、初めて娘をオットに任せてお留守番を試みる予定でした。そのタイミングでお熱?という「子育てあるある」のど真ん中。結局、高熱のまま週末に突入し、後ろ髪を引かれながら「オットよ! 娘を頼む!」と旅立ったのでした。
終始あまあまの抱っこちゃんだったようで、オットのヘトヘトな顔が浮かぶ連絡なども入っていましたが、母の不在で泣き叫ぶこともなく、父娘水入らずは無事に終了。そして私の帰宅とともに熱が下がり、全身に発疹が出て、ここまでくればホッと一息。しかしうわさに聞いた発疹による不機嫌と、今度はオットの出張。そして終わりかけで、なぜかじんましんに変わり、かゆがってかわいそうだったことなど、とにかくみっちり1週間、娘はがんばり、そして親もがんばった!(笑)
別名、知恵熱ともいわれているらしい突発性発疹。終わってみれば確かに成長が。少しですが食べる量も増え、言葉の発音がはっきりし、なにげないニュアンスがもう普通に大人との会話のよう。すごい! この小さい体の中で一生懸命悪いものを燃やし、そして新しい細胞がはじける、そのパチンパチンという音が聞こえるようでした。
傷痕が残っていて良かった
本当に、家族でサバイバルした実感のあった1週間。オットには、戦友とガシッと握手したいような気持ちを抱き、家族のサポートが近くにない環境で子育てしている人のもとには、すぐに駆けつけたい、手伝わせてほしい、と心から思ったのでした。
ところで、私は出産の前年に子宮筋腫の手術をしているので(一度メスが入っていると、ほとんどの産院では帝王切開になるということで)娘を帝王切開で産みました。おなかには横に10センチほどの傷痕があるのですが、お風呂で娘がその傷痕を指でなぞり「イタイイタイなの~?」と聞いてくるようになりました。その度に、ここから生まれてきたんだよーと言っていたら、ある日、お風呂上がりに「ココから、うまぇてきたの?」と。思わず涙がこぼれ、娘がいやがって暴れるまでギューギューと抱きしめたのでした。痕が残ってくれていて、本当によかったと思えるなんて。ありがとうとなでています。(ミュージシャン)
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい