洗濯は女性の仕事? 女性キャスターは若い方がいい? 高校生がメディア表現の性差の偏りを調査
奥野斐 (2019年3月8日付 東京新聞朝刊)
東京都内の高校生が、テレビCMやニュース番組で性別による役割固定や扱われ方に差がある実態を調べた。視聴者が無意識にこうしたイメージを受け止めないよう、メディアに接する際のガイドラインを同世代に向けて作成した。
洗濯用洗剤のCM24本を調査 「母親」ばかり登場していた
調査したのは、お茶の水女子大付属高校(東京都文京区)の2年生5人。昨春からジェンダーに関する授業を受け、世界経済フォーラムが各国の男女平等度をまとめた「ジェンダー・ギャップ指数」(2017年)で日本は144カ国中、114位と知った。18年は110位。
5人は昨年放映された洗剤のCM24本を調査。洗濯しているのは女性17人、男性4人で、設定が家族のCM10本ではすべて母親役が洗濯していた。柳沢なつみさん(17)は「家事は女性、との風潮をつくっている」と指摘する。
男性より8~17歳若い女性キャスター「想像以上の差」
また、「男性に比べ女性は若さが重要視されている」と学び、テレビ局4社のニュース番組計30本以上を視聴。キャスターの平均年齢はどの局も男性より女性が8~17歳若かった。小野田成美さん(17)は「想像以上に年齢差が大きく、ショック」と語る。
食品や日用品などの企業にアンケートも送付。回答した10社のうち9社は「CM作成の指針があり、男女表現に配慮している」と答えたが、石田優花さん(17)は「配慮があっても性別役割を固定的に描くCMを作った企業もある。もっと意識を持って」と求める。
ガイドラインでは、CMなどのイメージをうのみにしないためのポイントを示した上で「広告で示される生き方は一部だと理解する」「多様な生き方を認める努力をする」と呼びかけている。A4判三つ折り。学内で配り、会員制交流サイト(SNS)でも発信する考え。同校は文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」に指定され、授業はその一環。
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