子どもの声が社会を変えた(2) 通学路の危険な場所にポール設置 品川区の小学6年生
東京都品川区では、悲しい事故をきっかけに動いた小学6年生の子どもたちの声が、区役所を動かしました。
「ランドセルの厚みで、車をよけきれない」
「ランドセルの厚みで、車をよけきれない。小さい子がひかれちゃいそうっていつも思っていた」。東京都品川区の中学2年生、鈴木結女(ゆめ)さん(13)ら3人は、小学6年生だった2017年夏、区へスクールゾーンになっている駅前道路の安全対策を訴えた。
きっかけは同年6月、区内の別の地域で8歳の男児が交通事故で亡くなったことだった。「自分たちの回りにも危ないところはいっぱいある。そのままになっているのはおかしい」
アンケート→実地調査→区に意見書を提出
危険だと指摘したのは、通学に使っていた東急大井町線の下神明駅改札前の区道。狭く急な上り坂で、駅前で都道にぶつかる丁字路になっている。多くの車はスピードを落とさず上ってきて、幅約60センチの歩道の内側に食い込んで左折する。子どもたちは壁に体を押しつけるようにしてよける。学校で6年生にアンケートを取ると、そこを通る児童の8割以上が「危険」と答えた。
3人が同年7月に行った実地調査では、1時間に通った車11台中、6台が歩道の白線内に侵入していた。3人は調査結果にアンケートを添え、区へ意見書を提出。さらに、運転手目線での意見を求めて運送会社に呼びかけ、大手のヤマト運輸からも区に働きかけてもらった。
「頑張ったら協力してくれる大人に出会えた」
区は翌18年2月、白線上に巻き込み防止のため高さ80センチのプラスチック製ポールを2本設置。抜本策とは言えないが、安全に一歩近づいた。鈴木さんらは「小さな変化かもしれないけど、1ミリでも子どものために区が動いてくれた証拠」と話す。「頑張っていたら協力してくれる大人に出会えた。みんなが自分の地域の問題を少しずつ解決していけたら」
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