「こども六法」全生徒・教職員に配布 船橋市立中のPTA 「法律には仲間を守る力がある」
小形佳奈 (2020年3月25日付 東京新聞朝刊)
子どもに関係の深い法律を分かりやすく解説した「こども六法」を千葉県船橋市立習志野台中学校(全校生徒705人)のPTAが、生徒と教職員全員に配布した。発案したPTA会長の橋本知枝さん(38)は「法律には仲間や大切な人を守る力があると知ってもらえれば」と期待する。
橋本会長「暴力や悪口ダメ!説明が明快」
同校のPTAは、役員制をなくし、従来の活動の見直しにも取り組んでいる。地域で子育て支援に携わってきた橋本さんは、他のPTAメンバーとともに、使っていない会費を子どもたちの学びや育ちに役立てたいと考えた。
昨秋、テレビの情報番組で「こども六法」を知った。「暴力や悪口など身近な問題を取り上げて、法律というはっきりした根拠を元に『だめ』と説明して、とても明快」と感じた。保護者に会費での購入について諮り1月半ばに全校生徒と教職員に配布した。
配布家庭「親子で話すきっかけになった」
「法律について親子で話すきっかけになった」と喜ばれ、自宅で既に購入した家庭からは「小学校の図書館に寄付した」との声も届いているという。
「こども六法」は、自らが小学校時代にいじめに苦しんだ法教育研究者の山崎聡一郎さん(26)が昨年8月に弘文堂(東京都千代田区)から出版。商法をのぞいた六法と、少年法、いじめ防止対策推進法の条文をイラスト付きで紹介している。これまでに50万部を発行した。
「見守っているよ」子へのメッセージにも
弘文堂編集部の外山千尋さん(57)によると「『自分が小さいころにこういう本があったら』という声が多い」という。「わが子がいじめられていないか、逆にいじめていないか。直接聞けなくても、本を子どもに手渡すことで『見守っているよ』『法を守ろう』というメッセージが伝わるのでは」と話す。
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