子どもの自殺が過去最多、前年から40%増 コロナ禍の不安…一斉休校の影響も
学校再開と休み明け 進路に悩み
「コロナ禍が関わっているはずだが、何が起きているのか掘り下げなくては」。統計のある1980年以降、最も多い自殺者に、文科省児童生徒課の鈴木慰人(やすひと)・生徒指導室長は語る。
厚生労働省などの統計をもとに文科省がまとめた資料では、自殺した子は前年より140人増。目立つのは学校が再開した6月と短縮夏休み明けの8月で、いずれも前年同月の2倍超。原因で最も多いのが「進路の悩み」(55人)で、「学業不振」(52人)「親子関係の不和」(42人)と続く。「もともと長期休み明けは増える傾向だが、それにしても多い」と鈴木室長。有識者会議では、会員制交流サイト(SNS)やICTの活用も含めて対策を議論する。
一斉休校で学力格差 親の収入減
安倍晋三前首相の独断で始まった昨春の全国一斉休校は、子どもを取り巻く環境を一変させた。早稲田大の上田路子准教授(自殺予防学)は、休校で学習格差が広がり、子どもの悩みにつながったとみる。「家でオンライン学習や落ちついて勉強できる環境が整っているかで、学力に格差が生まれた。学習が遅れがちの子が再開後の授業についていけなくなり、気に病む場合もある。親の収入減少で、進路や学費の見通しが立たなくなった子も多い」
「コロナで困ったことを尋ねると『塾に行けなくなった』が多い。周りは塾やオンラインで勉強しているのに、自分はできない。周囲との格差に不安を抱く子が増えた」とは、困窮家庭の子への経済的支援などをするNPO法人「キッズドア基金」の松見幸太郎代表理事。学費負担が重い現状を変えるべきだという。「受験料が払えず私大受験を断念したり絞り込んだりするケースもある。これでは経済力のある家庭の子が受験で有利だ。公的支援で進学を後押しする仕組みをつくらなくては」
「友だちとしゃべれなくなった」
心理カウンセラーでつくる一般社団法人「全国心理業連合会」の浮世満理子・代表理事は「学校再開後、『友だちとしゃべれなくなった』という子の相談が目立つ。やっと友だちと会えたのにぎくしゃくし、絆を結び直すのに苦労している。コミュニケーションがSNS中心で、リアルな人間関係を築くのが苦手な子が多いためだろう」と話す。
自粛生活でギスギスしている世の中。浮世さんは子どもの心も否定的な方向に流れているという。「子どもの意識をポジティブな方向へ向けることが大事。家の手伝いやボランティアなどで、自分が社会に役立っているという自信を持たせるのもいいと思う」
周りが救うには? まずは共感を
教育評論家の尾木直樹さんは「新しい先生や同級生と関係をつくる大切な時期に一斉休校。子どもの不安は例年以上に強かっただろう。だが学校は再開後、学習の遅れを取り戻そうと授業を詰め込み、夏休みも短縮し、子どものケアをする余裕がなかった」と憂う。
国立成育医療研究センターが昨年11~12月に行った子どものコロナの影響調査では、小4~小6の16%、中学生の24%、高校生の30%に中等度以上のうつ症状が見られ、自殺や自傷を「ほとんど毎日考えた」という小4以上は6%いた。尾木さんは自殺を防ぐには、ありのまま受け入れることが有効だという。「命が大事と分かっていても、つらさが上回って命を絶ってしまう。まず子どものしんどさを受け止め、共感すること。子どもは『理解してくれた』と安心できる」
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そこでも書いたのですが、子どもたちの半数以上を占める、勉強が好きではない、または得意ではない子どもたちの評価を一部認定された外部に委託するような、抜本的教育改革が必要な時期に来ていると感じています。
学校にとっては評価の一部を外に出すと、学校の存在そのものが脅かされると感じるでしょうから、大きな抵抗があると考えられます。
しかし、これからの少子化社会における人材活用の観点からすると、教科勉強だけでは半数以上が劣等生とみなされ、Fランなどといった自分の出身校さえバカにするような風潮が続いて行くと考えます。
心が優しい子供は、その優しさをきちんと評価できるような、例えば高齢者施設での活用などを評価できるシステムがあれば、教科勉強ではない高評価を受けることができ、成績優秀者に変わる可能性があります。
全員救済ではありませんが、今よりもかなり多くの子どもにやりがいが生まれ、多くの子どものモチベーションが上がると考えます。
佐賀市在住 松本祥仁 https://jp.quora.com/profile/Yoshihito-Matsumoto