卒業生に贈る黒板アート 松戸の小学校、アーティストの力作に児童が感激

牧田幸夫 (2021年3月17日付 東京新聞朝刊)
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「飛び出す機関車」の絵の前で驚いたポーズを取る作者の傍嶋賢さん

 休み明けに登校した子どもたちに、教室の黒板にチョークで描いた絵を披露する「黒板ジャック」が15日、千葉県松戸市立稔台小学校であった。日常の教室風景に突如現れた芸術作品に児童たちもびっくり。「すごい」「きれい」と驚きと感激の声が上がった。

黒板アート作家 鈴木蘭菜さん「信号機」

 千葉県内外のアーティストや地元聖徳大の学生、卒業生ら計16人が参加。日曜日の14日に約8時間かけて6年生の4学級を含む計11教室の黒板に描いた。絵のテーマは「出発・旅立ち」で、18日に卒業式を迎える6年生へのメッセージを込めた。

 黒板アート作家の鈴木蘭菜(らな)さん(26)=旭市=は、6年生の教室の黒板に青色が点灯している信号機を描いた。「青は進め。4月から中学生になるけど、元気よく走りだしてほしい」と話した。

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子どもたちに青信号を描いた作品の説明をする鈴木蘭菜さん

機関車、不死鳥… 聖徳大の学生も協力

 またアーティストの傍嶋賢さん(42)=茨城県取手市=は、「未来に飛び出してほしい」と未来行きの機関車を描いた。見る角度によっては絵が立体的に見え、子どもたちも「機関車がぐっと迫ってくる」とその出来栄えに驚いていた。

 聖徳大の学生たちも力作を披露。能登谷小町さん(22)は雄大な富士山や地球を、遠藤いつもさん(22)は不死鳥をダイナミックに描き、作品に込めた思いを子どもたちに説明した。作品は全児童が見終えた後、6年生の教室の作品は子どもたちの手で消された。

 松戸駅周辺の活性化に取り組む「松戸まちづくり会議」が「コロナ禍の子どもたちを明るい気持ちにしたい」と企画。国内外からアーティストを招き、芸術を生かした街づくりを進める一般社団法人「PAIR(ペア)」が協力した。 

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