生徒会選挙はネット投票で 欠席の生徒は自宅から 埼玉県立いずみ高が選挙への関心高めようと企画
約700人が投票 瞬時に自動集計
「校則の改革に尽力したい。皆さんの大切な1票をお願いします」。校内の会議室で、生徒会長や副会長などの立候補者がパソコン画面に向かって支持を呼びかける。その演説が各教室のスクリーンに映し出され、「有権者」の生徒たちが静かに耳を傾けた。
いざ投票へ。生徒たちはスマホを取り出し、割り振られた個別の認証コードを投票用の専用サイトに入力。立候補者名が表示された画面で「信任」「不信任」の選択肢にチェックを入れる。続いて「投票」ボタンを押すと、データが瞬時に自動集計された。
選挙には定数を超える候補者が出ず、結果は全員が信任。欠席の生徒は自宅から、スマホがない生徒は校内のパソコンから投票し、大きなトラブルはなかった。誰にどのコードが付与されたかはシステムの管理者も分からない仕組みのため、投票行動の秘密は守られるという。
便利で簡単だが、安全性に不安も
衆院選でも1票を投じた18歳の生徒たちはどう感じたのか。
親に連れられて投票所に足を運んだという3年の矢作和花菜さんは「ネット投票なら、わざわざ行かなくていいので簡単」と好意的だ。ただ、「もし他の人に認証コードが漏れたり、投票の画面を盗み見られたりしたら怖い」とも。
コロナ禍で苦しくなった生活を支援する政策を見比べ、衆院選で投票先を選んだ3年の細川知幹(ともき)さんも「ネットの安全性に不安はあるけど、それよりもシンプルで便利なのがいい」と受け止めた。
“機会が損なわれている人”を知る
今回の取り組みは、社会科の華井裕隆教諭が企画。選挙への関心を高めるとともに、「在外邦人や障害者など投票の機会が損なわれている人が社会にいることも知ってほしい」と考え、ネット投票のシステムを提供する「VOTE FOR」(東京)の協力を得た。
同社の市ノ沢充社長はネット投票の導入には法整備や、なりすまし防止など技術的な課題の解決が必要とする。一方で投票率の向上、選挙費用や事務負担の軽減につながると指摘する。
華井教諭はネット投票による生徒の関心度や投票行動の変化は今後分析が必要としながらも、「斬新でスマートな方法で投票することで選挙の楽しさを感じてもらえたのでは」と手応えを口にした。
なるほど!
グッときた
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素晴らしい。政治アイドル町田彩夏さんが生徒会の経験が政治への関心につながったというお話が記憶に新しいです。
もっともっと日本で主権教育が広まってほしい、子どもが主体として考え行動できるような学校であってほしいです。