来春発足「こども家庭庁」はいじめを解決できるのか 文科省に勧告できるが強制力なし 縦割り行政に懸念
内田良さん「家庭と学校に横串を」
こども家庭庁はいじめの重大事案について、担当する文部科学省と情報を共有。対応が不十分な場合は「強い勧告権」を行使するが、強制力はない。
名古屋大の内田良教授(教育社会学)は「学校のタブレット配布やスマホの普及で、ネットのいじめは家の中に持ち込まれる。子どもの苦しみは、家庭と学校に横串を刺して見なければならない」と強調。縦割り行政の結果、子どもの「SOS」を見逃してしまう事態も想定して「子どもが苦しむ問題に強い権限を持って調査、対処できる独立組織こそ必要だ」と訴える。
いじめ以外の課題でも、教育と福祉が重なり合う部分は多い。具体的には不登校の子どもが親から虐待を受けるなど家庭でも問題を抱えていたり、学業や部活動に支障が出たのをきっかけに病気の親族を世話するヤングケアラーだと分かったりするケースがある。こども家庭庁が司令塔機能を果たせなければ、事実確認や事後対応に関する改善が進まない可能性がある。
児童福祉法 改正のポイントは
一方、改正児童福祉法は児童養護施設などの入所者の自立支援に関して、原則18歳までだった年齢制限を撤廃。都道府県知事や児童相談所長に対して「児童の意見または意向を勘案して措置を行う」よう義務付けた。発達状況に個人差があり、一律に年齢で区切るべきではないという考え方に基づく制度の見直しだ。
これまでの児童福祉政策は子ども目線に立っていたとは言い難い。今でも22歳までなら施設に残る選択肢はあるが、ほとんどが18歳で退所している。
子どもが一時保護の継続を求めたのに、児相職員が保護者の意向を優先して親元に帰したところ、虐待被害に遭った事例もある。
厚生労働省は2024年4月の改正法施行に向け、意見聴取の専門員制度を検討中。しかし、子どもの権利に詳しい熊本学園大の堀正嗣教授は「措置する側の行政から完全に独立し、子どもの声に寄り添える人材が必要だ」と主張する。
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子ども家庭庁に大きな期待をします。私は、5年間ほど前から(一社)JS-JSC(児童生徒自立支援センター)にて、いじめ問題の調査、研究をしてまいりました。そんな中、各教育委員会など教育行政に、いじめ対策のご提案をし続けてまいりました。
いじめに遭遇した子供達が、相談できる民間機関が必要で、調査に関しては一定の権限を付与して現場に入らないと、解決に向かわないこと、また、子供達の自浄作用を発揮するためにも、児童会、生徒会の自立が必要で、いじめの傍観者を是とする雰囲気作りが何より必要である。
今までのように文科省がどれだけ通達をだしても、各教育委員会の動きは鈍く、各学校に至ってはいじめの初期対応ができてなく、重大事態に気付くことが遅れてしまうという事態です。
やはり、初期段階から積極的にいじめに関与し、調査し、早期解決を図るには、専門の相談民間機関が必要で、尚且つ早期に第三者機関を招集できる権限のあるアドバイザーが必要でしょう。
来春に子ども家庭庁が発足し、早期に民間相談機関と専門アドバイザーを各地に開設されることはいじめ対策の第一歩だと思います。その先には、子供達が自浄作用を働かすことができるように児童会、生徒会の自立を促していけるように施策が取れることを子ども家庭庁に期待します。
私も民間相談機関として引き続き尽力してまいります。