22人に1人がヤングケアラー 静岡県が初の実態調査 1日7時間以上の子も…「学校に行けない」
塚田真裕 (2022年6月17日付 東京新聞朝刊)
静岡県は、本来は大人が担うと想定されている家族の世話や介護を担う子ども「ヤングケアラー」の県内の実態を調べた初めての調査結果を発表した。家族のケアをしている児童や生徒は22人に1人いることが分かった。県は調査結果を支援策の充実につなげる。
小学5・6年と中高生 1万782人が該当
小学5、6年と全中高生を対象に、昨年11月から今年2月まで、学校を通じて無記名のアンケートをした。23万5458人が回答した。
「家族のケアをしている」と回答した児童や生徒は1万782人で、割合にすると4.6%だった。うち、学校生活への影響を尋ねる質問で「特にない」「不明」を除くと、何らかの影響があると回答した子どもは約4分の1(2382人)に上った。内訳は「自分の時間がない」が最多で11.3%(1223人)だった。「学校に行きたくても行けない」は0.9%(98人)で、深刻な状態にある子どもがいることが浮かび上がった。
ケアの内容では家事が45.3%(4885人)で最も多かった。ケアの頻度では「ほぼ毎日」が最も多く41.8%(4502人)。ケアの時間は「1~2時間」が最多で35%(3777人)だった一方、「7時間以上」と回答した児童や生徒が4.4%(470人)いた。
必要だと思う支援を聞いたところ「相談する場所を増やしてほしい」「ヤングケアラーのことを知ってほしい」などの回答があった。
「子ども・家庭110番」に相談してほしい
県はこうした結果を受け、教職員らを対象にヤングケアラーについて理解を深める研修をしたり、支援に当たる市町の体制強化のためコーディネーターを派遣したりしている。当事者団体に働き掛け、夏には当事者間で相談できる場を立ち上げる。
静岡県こども家庭課の担当者は「悩んでいる人は、学校や県の電話相談窓口『子ども・家庭110番』に相談してほしい」と呼び掛けた。
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コロナ対策費も年金も消費税もずぶずぶに溶けて、福祉や社会保障の手薄さのつけが子どもにまで回る。発展途上国。