子どもより「偉い人」が真ん中 よくある会見の記念写真がうつすもの
前田朋子 (2022年7月24日付 東京新聞朝刊)
子どもの夢を生かし、困難のある人に明るい未来をつくりたい、ついては自治体や組織が新たな取り組みをします、という発表会見がよくある。実現したら素晴らしい世の中になるね、と想像するうち会合が終わる。拍手。だが、かなりの確率でその後がいけない。
内部向けに記録する必要があるのか、「では関係者は記念撮影を」となる。この種の写真は記事には不要なのでただ眺める。事務方が指示する参加者の並べ方で、一転、実態があらわになる。
施策への夢を発表した子どもがいるのに、前列や中央には組織の長や外部の偉い人を配置。ジェンダーを問わず活躍できる社会に、と言った直後なのに女性だけ固めて座らせる…などなど。きっと悪気はない。出席者も気付かない。でも冷める。「全部ウソじゃん」
何のために、誰を見て取り組みを決めたのか。流行に乗り、偉い人を喜ばせるためだけなら意味がない。本気なら、無意識の振る舞いから厳しく見直す必要があることに気付いてほしい。
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知りたい
以前、青森県内で公立中学校の校長を務めていた者です。前田さんとまったく同感です。
現役当時、何回か生徒を引率して自治体の首長を訪問したことがありました。その都度、新聞記者が撮影し報道するのですが、私は率先して常に後列の端に立つので、首長も従っていました。
しかし、彼らはそれ以外の場面では常に中央に位置しているので、もしかしたら、当時の私の行動・態度は疎んじられていたのかもしれません。
今振り返ると、子供たちの訪問は花があるし(毒がないので)、政治家にとって格好の出番(露出の場)だったと思われます。プリントアウトすれば、彼らは必ず正面で映っていますね。