八王子市の学童、夏休みも「給食」提供 弁当作りの負担軽減、傷む心配なし

布施谷航 (2022年8月11日付 東京新聞朝刊)

学校給食センターから届けられた昼食を食べる児童たち=八王子市で

 夏休み中の小学生を預かる八王子市内の一部の学童保育所で、学校の給食調理室や学校給食センターで調理した温かい昼食が提供されている。出勤前の慌ただしい時間帯に弁当を作る保護者の負担を減らすほか、暑さで弁当が傷みやすいといった心配を取り除く狙いがある。提供日数は限られるが、八王子市は将来的に全ての学童保育所に広げたい考えだ。

1カ所につき計5日間 全90カ所目指す

 八王子市は2019年、夏休み期間に給食調理室で作った昼食を一部の学童保育所で提供する試みを開始。今年は学校給食センターで調理した昼食も加えた。通常の学校給食は校舎の外に運べないが、学童保育の「昼食」は離れた場所の学童保育所にも配食できるという。

 配食先の学童保育所は、昨年の夏休みは12カ所だったが、今年は21カ所に拡充。市は、学校給食センターの活用を広げるなどして、全90カ所の学童保育所での提供を目指す。ただ、夏休みは給食調理室のメンテナンスなどがあるため、昼食を提供できるのは1カ所につき計5日間に限られる。

日替わり250円「お母さんも楽になる」

 昼食のメニューはスパゲティやカレーライス、八王子ラーメンなどの日替わりで、1食250円。元木小学校の敷地内にある恩方東学童保育所では今月3日、学校給食センターで調理した焼き鳥丼が提供された。

 3年生の粕谷礼さん(9つ)は「温かくておいしい。お弁当を作らなくていいので、お母さんも楽になると思う」と話していた。恩方東学童保育所の降矢千尋所長は「今年、初めて提供したのでどうなるか心配したが、保護者からは毎日やってもらいたいとの声もある」と手応えを感じていた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年8月11日