【危険な通学路】通行禁止の抜け道「今日は警察いないよね?」進入する車が続々…見守り男性はねられる
千葉市若葉区 64歳男性を逮捕
男性がはねられたのは、午前7時50分ごろ。黄色い旗を手に児童らを渡らせ切った後、再び横断歩道を渡って元の位置に戻ろうとした時だった。右折してきた車のボンネットにのりあげ、道路に投げ出された。腰や背中を強打し病院に運ばれたが、幸い命に別条はなかった。
千葉東署によると、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で逮捕された運転手の男(64)は「気付かずにぶつかってしまった」と供述したという。
通行禁止と知らず「迂回路」に
事故から1週間たった先月15日朝に現場を訪ねると、はねられた男性は復帰していた。男性によると、事故の後、運転手の男が謝罪に来て「日ごろからこの交差点を通っているわけではなく、いつも使う道路が混雑していたため、迂回(うかい)路として使用した」と話した。この時間帯は通行禁止だと知らなかったという。
交差点の約400メートル先には市立若松小学校がある。全児童642人のうちの半数が登下校で通る。制限速度は40キロ。信号機が付いている。通行禁止の時間やエリアを知らせる2つの標識が近くにあり、「通学路」を示す黄色い看板も立っている。
実態は「駅への便利な抜け道」
しかし、見守りボランティアの渡邉覚さんによると、この交差点は普段から朝の交通量が多く、規制がかかる道路はJR都賀駅方面への便利な抜け道になっているのだという。
実際、取材した日は午前7時からの1時間で、十数台の進入を確認できた。車を止め、取材に応じた運転手は「会社が(この道を使うと)近い。ここ、通っちゃだめなんだよね。今日は警察いないよね?」と、規制は知っている様子だった。一方、初心者マークをつけた車も数台。中には、規制を知らない人もいたのではないか。
通学路の取り締まりは1万件超
千葉東署によると、通行規制時の走行には、所轄署長の「許可証」が要る。ない場合は交通違反点数と反則金が科される。
千葉県警交通指導課によると、県内の通学路での通行禁止取り締まり件数は、今年8月末時点で1万3069件(速報値)。前年同期比で3534件の減少とはいえ多すぎる。同課の担当者は「同じ人が抜け道として利用していることが多く、進入が後を絶たないのが実態だ」と嘆いた。
「子どもが犠牲になる前に…」
はねられた男性は約1年前から週1回、見守り活動を続けてきた。再発防止策として、事故発生現場を示す看板の設置や警察の取り締まり強化を訴える。
「ここは通行禁止を分かって入ってくる人がほとんど。子どもは背が低く、当たり所が悪ければ死ぬ。子どもが犠牲になる前に、なんとでもやりようはある」
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