日本版DBSの法案提出は来年以降に先送り 性犯罪歴チェック「対象職種の限定」「雇用側の照会」が問題に
10月の臨時国会で提出するはずが…
岸田文雄首相は16日の会議で、保育や教育現場での対策強化に向け、防犯カメラの設置費用を公費で補助することなどを表明した。月内にまとめる経済対策にも関連項目を盛り込む。
日本版DBS創設法案を巡り、政府は20日召集の臨時国会への提出を目指していたが、法案の土台となる有識者会議の報告書に対し、性被害の当事者団体や与党内からも内容の精査を求める声が相次いでいた。性犯罪歴の確認を義務づける対象職種を保育所や学校などに限定した点や、雇用側が犯歴を照会する点が問題視された。
英国版は働きたい人が証明書を取得
こども家庭庁が参考にしてきた英国のDBSは、子どもに関わる職業に限らず、幅広い職種が性犯罪歴確認の対象で、チェックの基準も職種に応じて4段階に分かれる。最も基本的なチェックでは、基準に触れる犯歴がないことがわかる証明書を働きたい人が取得し、就職先に提出することが義務づけられている。
証明書を提出する方式では、個人の犯歴情報を適切に扱える事業者かどうかを行政側が「認定」する必要がない。子どもに関わる幅広い職種に導入できるとして、類似の制度設計を期待する声が多かった。そのため、有識者会議の報告書には、自民党や当事者から「検討がずさん」「対象を広げるべきだ」などと疑問の声が上がっていた。
被害者団体「対象業種を広げるべき」
性被害者らでつくる団体「Spring」理事の寺町東子弁護士は「行政の負荷が高い認定制度を導入するくらいなら、対象業種や職種を広げやすい仕組みにするべきだ」と主張。働きたい人が、性犯罪歴がないことを条件にこども家庭庁に登録する仕組みを提案する。
日本版DBSを巡っては、首相が2022年1月の施政方針演説で、こども家庭庁が着手する政策の一つとして表明。自民党の閣僚経験者は「性犯罪歴の確認をしない事業者の現場に危険のしわ寄せがいくような仕組みではもたない。丁寧な議論をした上で、首相は公約を果たしてほしい」と求める。
なるほど!
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英国流のやり方はなかなか良いと思った。雇用側も雇いたい人を雇う権利があろう。「こいつは良い奴だと思ったが、実は…」では、皆が不幸になる。何であっても、実際に性被害を受けてきた人の思いが最大限反映される制度の構築であって欲しい。それが私の希望だ。