子どもの意見を政策に反映させるには? こども家庭庁が全国の自治体にノウハウ周知

 こども家庭庁は11月17日、4月施行のこども基本法で、子どもに関する政策の決定に子どもや若者、子育て当事者の意見を反映させることを国と地方自治体に義務付けたことを受け、意見反映のポイントや先行事例をまとめ、各都道府県知事と政令市長宛てに通知した。子どもや若者が意見表明するテーマを決めたり、最終的に意見がどのように扱われたか、プロセスと結果をきちんと伝えたりすることなどを求めている。

山梨県こども計画(仮称)策定のために若者から意見を募ったイベント

こども基本法で義務化 先行事例を紹介

 子どもの意見反映をめぐっては、こども家庭庁発足前の昨年8月から、「こどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会」で協議してきた。

 約3000人の子どもや若者の意見を交え、反映までの流れや考え方のポイントをまとめた報告書を作成した。また、子ども政策の指針となる「こども大綱」の年内策定に向け、これまで国が実施してきた意見聴取の方法やフィードバックの見せ方、先進的な取り組みをする全国の16自治体の情報一覧なども付けた。

本当に言っていいのか 当事者は不安も

 報告書では、子ども若者の意見反映の意義を「実効性のある施策ができる」「自分の声が社会に変化をもたらす経験は、自己肯定感を高め、社会の一員として主体性を高めることにつながる」と説明。意見聴取に関する子どもや若者の声として「テーマによっては知識不足を補足してくれる機会がほしい」(18~19歳)「意見を言っていいのかなと思うこともあったけど、他の子も同じように感じていると知れて心強く思えた。これからも意見を伝えたい」(中学生)などと紹介している。

 一方、子どもや若者への意見聴取ができる人材がないという自治体向けには、「こども・若者意見反映サポート事業」を始める。国が委託したNPO職員らをファシリテーターとして派遣。11月27日に山梨県へ派遣するのを皮切りに、年度内では5件のサポートを目指すという。加藤鮎子こども政策担当相は17日の閣議後会見で「意見反映の取り組みが一層進むよう、しっかりと後押しする」と述べた。

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