学童保育は全員が入れればそれでいいのか 安心できる場を求め、保護者が運営する川崎の「自主学童」
川崎市が用意した「居場所」は大人数
「わあ~! このパン、好きなんだ」。外遊びから戻った小学生たちが、配膳台に並んだおやつを見て声を弾ませる。6学年入り交じってのおしゃべりに花を咲かせ、どの子もくつろいだ表情を浮かべていた。
12月上旬の平日の午後。川崎市宮前区の「花の台学童保育ホール」には、近隣の2校に通う36人が来所。指導員3人に見守られ、保護者が迎えに来るまでの時間を思い思いに過ごしていた。
花の台は保護者が中心となって運営する自主学童だ。川崎市は待機児童対策として2003年度、全児童を対象とする放課後の居場所「わくわくプラザ」を全校に設置したが、学校の規模によっては1学年200人を超える。午後6時までは誰でも無料で利用できるが、児童によっては大人数の環境になじめなかったり、体調不良に気付いてもらえなかったり…。花の台は「そこでは安心して過ごせない」と感じる子や保護者の受け皿にもなってきた。
常勤指導員が一人一人に合った対応を
フルタイムで働く保護者の一人、松浦光里(ひかり)さん(41)は「わくわくプラザは全員入れるけれど、ただ子どもを入れているだけ。週に1日、2日ならいいけれど、毎日長時間過ごすのはきつい」と言い切る。
1985年の開設当初から花の台に勤める専任指導員の田中千景さん(61)は「ここは約40人の定員があり、常勤指導員2人が毎日必ずいる。だからこそ一人一人の昨日の出来事から家庭の背景までを把握し、その子に合った対応や声かけができる」と話す。
市の補助の対象外 保護者の負担は…
ただ、「子どもの放課後の居場所は整備している」とする川崎市は、自主学童を補助金の対象と認めない。費用の事情もあり、花の台では教室の1.5倍ほどのワンルームで約40人が過ごし、保育料や運営維持費として各保護者が負担する会費は年間約40万円に上る。
6年生の木本友椛(ゆうか)さんは「狭いから子ども同士がよくぶつかる。もっと広いといいし、部屋ももう一つほしい。無理だからいつもは言わないけど」と打ち明けてくれた。それでも、「花の台の良さ? 子どもが企画するイベントがたくさんあって、高学年になっても楽しく過ごせて…。たくさんあるけど、一度来たら分かる」と満足そうに笑う。
田中さんは言う。「子どもが『行きたい』と思って通える場でないと、保護者は安心して働けない。安心できる場をつくることが、最大の就労支援だと思う」
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悪名高き?わくわくでの勤務経験がある者です。わくわくは無料で預かりをしています。花の台は年間40万の会費を集めているのですから安心安全は当たり前。わくわくがストレスの元とか、ただ子どもを入れているだけというのは、そこで毎日奮闘している指導員にとって悲しくなる言葉です。
就労支援の場である学童に、無料だからと、親が家にいるのに遊び場感覚で通わせたり、高学年になり外で遊んだり留守番もできるのに、子どもを信頼せずわくわくに押し込める親。自分勝手な保護者が山ほどいます。
指導員は子どもたちの名前を覚え、体調不良に気づく努力をし、熱が出れば布団を敷いて寝かせ、工作などの企画や外遊びの見守り、コロナ前は手作りおやつをするなど、できることはしています。
子のメンタルがやられているのに、お金がないからと通わせる親のほうがどうなの?と思いませんか? 日々楽しく通っている子もいるし、合わない子もいる。合わない子は他の居場所を探してほしい、それだけです。
事態を改善するなら、川崎市はわくわくを有料にすべきだと思います。
子どもが行きたいと思えるのは人数や固定メンバーというところもあるけれど、保護者の方の自主性協働性の影響が大きいと思います。
指導員はどちらもご尽力くださいますが、子どもだって小2にもなれば預かられるより自由な放課後を過ごしたいもの。うちの子は毎日「公園で預かられて来る!」と仲間を見つけ場所を見つけ過ごしておりました。
私は以前、川崎市に在住していました。当時は川崎にも40人定員の学童保育があり、シングルファーザーの私は2人の息子を学童保育に通わせながら、なんとか仕事と子育てを両立する事が出来ました。
子どもたちには父子家庭で寂しい思いをさせたと思いますが、学童保育で思いっきり遊んだり、キャンプに行ったりして大変感謝しています。
現在の川崎市が運営するわくわくプラザは学童保育のようなものであって、学童保育とはいえません。定員が無いため、学童保育としての基準を満たしていない施設が大半のようです。誰でも入れる施設は必要ですが、それだけで十分とは言えません。
川崎市の自主学童は地域に学童保育が無いため、やむなく保護者、地域住民有志により設立、運営されているのであって、学童保育としてより良い質を求めているものではありません。国が学童保育の最低基準として示している基準に沿って運営しているにすぎず、私が以前お世話になった学童保育と同じだと感じています。
この記事を読んで、子どもたちが行きたいと思える放課後の居場所、生活の場が少しでも多くあって欲しいと言う思いが強くなりました。
「子どもの放課後の居場所は整備している」とする川崎市は、自主学童を補助金の対象と認めない。
と言うコメントが冷たく感じました。
学童という箱に子供を押し込めればいい、と言う感じで。
難しいとは思いますが、このような質の良い民間学童には補助金を出してあげてほしいと思います。
保護者が運営、指導員を常雇の学童。
たいへんだけどがんばってほしいと思います。過去には保護者が運営の自主保育園もよくありました。行政サービスはどの子にも公平であってほしい。
以前から学童はありますが、4年生以上は段々自宅で留守番してるはず。放課後の支援は3年生くらいまでにしないと数が増えすぎ学校規模になります。保護者の方が好意で作ってくださった場所はありがたく使用させていただき、合わない子は使わないようにすればいいだけ。文句のようなことは避けたほうが良いのではないでしょうか?あまりに完璧な支援を求めすぎでは?それには働く者が必要になり有償になると思います。
子どもの友達はわくわくに行くとお腹が痛くなるようになり、今は学校のカウンセリングを受けています。親が仕事を早退して迎えに行くところっと治る。わくわくがストレスになっているようです。
親はたびたび仕事を早退していますが、下の子の保育園代もあり民間学童の費用を出す余裕はないそうです。夏休みもほぼ毎日わくわくに通わせていました。
心身に影響が出ていてもわくわくに通わせざるを得ない。川崎市は子ども達の放課後、夏休みを好きな場所で過ごす選択ができるような施策を取るべきでだと思います。わくわくが合わず行かなくなった子はたくさんいます。
川崎市の学童保育の現状をたくさんの方に知って欲しいです。放課後を安心して豊かに過ごす為の学童は習い事ではなく子どもたちの権利だと思います。
定員がなく時間を過ごすだけの場所となっているわくわくを見直し、生活の場、第三の居場所となり、受け皿になっている学童保育を川崎市に認めていただきたいです。
保護者の方の思いが良くわかります。
いつも同じ大人がいて、いつも同じ仲間がいる場所こそ、心も身体も安心して帰れる家だと思います。子ども達もそうですが、親も安心出来る場だと思っています。
毎日会って、会話をし、一緒に遊んで一緒に笑って、時にはケンカをして泣いて怒って、どんな時も一緒があるから安心出来る、それが、放課後の大事な時間を過ごせる『学童保育…花の台』だと改めて思いました。
わくわくも自主学童保育も、どちらも大事な時間に子どもを預かる貴重な場なのに、自主学童が補助金の対象に入らないのはやはり納得がいかないです。
預かってもらえればそれで良い…ではなく、親が働いている間、子ども達と真摯に向き合い、皆で共に育ち合える場所こそが今大事ではないかと思います。もっと自主学童保育の良さと必要性を知ってもらえればと、常々思います。
6年生の子どものインタビューでの一言…「一度来たらわかる!」の言葉は、花の台が安心出来る場なんだ!と、一言で十分わかると思います。話したい事が沢山あるけれど、あの一言はとても大きな言葉に感じました。やっぱり学童って良いなぁ〜と懐かしく思いました。