施設に保護された子どもを弁護士が支援 埼玉で全国初の制度 自分の権利に気づけるように

飯塚大輝 (2024年3月9日付 東京新聞朝刊)
 児童相談所の一時保護所や児童養護施設などへ保護された子どもが法的な助言を受けやすくなるように、埼玉弁護士会は2月から、子どもたちを担当する児相のケースワーカーを通じてさまざまな相談をワンストップで受ける制度を始めた。同様の制度は全国初という。
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保護された子どもの法律相談の新制度を説明する尾崎会長(左)ら=県庁で

児相のケースワーカーが仲介

 制度では、事前に埼玉弁護士会から埼玉県内各児相のケースワーカーへ申込書を配布しておき、ケースワーカーは子どもから相談の要望があった際に必要事項を記入し、弁護士会へ送る。受け取った弁護士会は、内容に応じ適切な弁護士や制度をケースワーカーに紹介する。

 対象事例としては、親が不法に取り上げた子どもの財産を取り戻すことや、親権停止の交渉、養子縁組、施設でのトラブルや不満の解決などを想定する。弁護士の支援が必要ないケースでも、法的な助言をしたり、子どもが自分の権利に気付けるよう促したりする。子ども側に費用負担はない。

施設の風通しをよくするため

 子ども向けの法律相談サービスはほかにもあるが、一時保護所などで保護されている子どもは通常、自由に電話を掛けたりできず、利用できなかった。この制度によって、子どもの法的ニーズの掘り起こしや、ケースワーカーの負担軽減が期待される。

 埼玉弁護士会の尾崎康会長は「施設は閉鎖的な面もあり、風通しをよくするのも必要だ。制度の活用で子どもが権利をより一層守られ、生き生きとした生活を送れるようになってほしい」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2024年3月9日

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