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子どもの「口腔崩壊」とは? 虫歯が10本以上、歯茎だけで食べる…背景に虐待も

五十住和樹 (2018年11月13日付 東京新聞朝刊)
虐待を受けている子ども自身が声を上げることは難しいため、周りの大人たちが兆候に気づくことが重要です。学校検診を担当する歯科医たちから子どもたちの深刻な状況が報告されています。

 虫歯が10本以上あったり、歯の根しか残っていない未処置歯が何本もあったりする状態を指す「口腔(こうくう)崩壊」が学校現場で問題になっている。開業医でつくる東京歯科保険医協会が都内の小中学校を調べたところ、ほぼ3校に1校が「口腔崩壊の児童(生徒)がいた」と答えた。理由は経済的困窮や、病院に行く時間がないことなどだが、子ども虐待の一つであるネグレクト(育児放棄)が強く疑われるケースもあるという。

都内の小中学校3校に1校で発見 親の誤解「乳歯は放置していい」

 「毎年の定期検診で、1学年に1、2人の口腔崩壊の子がいます」と、約20年間、東村山市の小学校で校医を務める橋本健一さん(60)は話す。「『乳歯は生え替わるから虫歯を放置してもよい』と思っている親が多い」。歯が抜けて、歯茎だけで食べている児童もいるという。

 同協会の調査は昨年10~12月に実施。公私立の小中学校489校、児童生徒19万2500人の学校歯科検診の結果を、主に養護教諭から報告してもらった。

 口腔崩壊の子がいた小学校は38.3%、中学校は29.9%。「入学時にほぼすべての乳歯が虫歯。親の養育が不十分で今後も心配」(葛飾区の小学校)、「ほとんど歯が残っていない。受診を勧めても行かないが、痛いので保健室には来る」(足立区の小学校)など深刻な事例もあった。1校当たりの口腔崩壊の子ども数は大半が1~3人だが、10人以上が3校あった。こうした中には、必要な治療を受けさせてもらえないネグレクトが疑われるケースもある。

子ども全体では改善…「問題のある家庭と二極分化が激しい」 

 検診で虫歯を見つけた養護教諭は家庭に文書で受診を促すが、「(医療費助成で)無料でも歯科医院に連れて行く時間や精神的余裕がない」「治療を嫌がる」などの理由で、小学校で4割、中学校で7割の児童生徒が未受診のままという。

 放置すると将来の健康も左右しかねない。歯磨き習慣を身に付けなかったり、適切な治療を受けなかったりすると、乳歯で口腔崩壊した子どもは永久歯でも同じ状態になりやすい。歯が抜けると菌に感染し歯周炎を起こすこともある。将来的に心臓病や高血圧、糖尿病の引き金になる危険性もはらむ。

 一方、子ども全体の歯の状態は改善している。昨年度の文部科学省の調査では、12歳(中学1年)の永久歯の平均虫歯数は年々減って0.82本と過去最低となった。ただ「問題のある家庭と二極分化が激しい」とみる歯科医師は多い。橋本さんは「歯磨きは家庭で教えるという常識を変え、学校で毎学年行うようにするべきだ」と提案する。

「虐待の可能性」「ネグレクトで悪化」 全国的な問題に

 子どもの口腔崩壊が進む現状は全国的にも同様だ。全国保険医団体連合会が今年4月現在で、全国21都府県の保険医協会の調査を集計した。口腔崩壊の子がいた小学校は39.7%、中学校32.7%、高校50.3%、特別支援学校が45.1%だった。

 「検診時に校医から虐待の可能性を指摘される児童が毎年1、2人いる」(佐賀県)、「養育がうまくできず、ネグレクト状態で口腔内が悪化。受診と歯磨きができない」(岩手県)など、背景に虐待を指摘する報告もあった。

 さらに検診で要受診となっても病院に行けない子どもの割合は小学校52.1%、中学校66.6%、高校が84.1%。調査に回答した小中学校だけでも、受診していない児童生徒は約26万人に達する。担当者は「せっかくの検診が早期発見、治療に役立っていない」と分析する。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年11月13日

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コメント

  • 匿名 より:

    うちの長男(18)は乳歯がほとんど溶けてなくなるくらいヒドイ虫歯でした。でもきれいに歯並びのよい永久歯に生え変わりました。次男(16)は生まれてこのかたまだ虫歯になったことがありません。同じように育ててこの違いは何でしょうね。糖分の撮りすぎ、歯磨きをしなかった、ストレス・・・いろいろな意見を聞きますが、原因は複合的なものだと思います。

  • 匿名 より:

    息子2人ともに進行した虫歯があります。歯科受診して治療には通っています。ネグレクトではありませんし、虐待もしていません。私自身が癌の手術をする為に、子供を児童相談所に一時保護して頂きましたが、私の母が子供達の面倒をみてくれる事になり、児童相談所に一時保護解除を申し出ましたが、口腔崩壊しているので子供達を虐待しています、お子さんは返せませんと言われ愕然としました。
    児童相談所の職員さんは「歯医者に行っているのに治療が進んでいない。多少のリスクがあっても全身麻酔で歯科治療すべき。」と言われました。しかし私は多少のリスクと言う職員に驚きを隠せませんでした。まだ6才と3才の子供に多少のリスクを背負わせたくは有りません。
    日本歯科医師会が全身麻酔での小児歯科治療を推進しても、私は全身麻酔での歯科治療は避けるべきだと考えています。歯科治療とネグレクトや虐待は慎重にならなくてはならないと思います。歯科受診している現在の先生と話し合いをしながら、子供の機嫌をみながら、ゆっくりでも歯科治療を進めて行きたいです。
    全身麻酔での歯科治療は避けるべきだと思います。子供の命を守る事が第一だと思います。

  • 匿名 より:

    虫歯が多い=虐待になるんですね。私は数年前に関節リウマチを発症して寝たきりになり強い薬での副作用もあったり寝たきりのせいで筋肉もほとんど落ちていました。その頃下の子は幼稚園でした。手首の関節は破壊されていて握力も2〜3くらいで何もしてあげられませんでした。親として本当に情けなく悔しかったです。
    下の子の虫歯が小さいうちに治してあげたくて歯医者さんにも連れて行ってもらったのですがこんなに泣くなら治療は無理ですと断られたり乳歯だからいつか抜けるのでと言う歯科医の方もいました。そして最近行った歯医者さんではいきなり児童相談所に連絡して虐待だと言います。と言われ私の病気のせいです。と説明したらペルパー頼めばいいじゃないですか。と簡単に言われました。
    関節リウマチの治療費はかなり高額です。ペルパーさんにお願いする余裕もありません。でも子どもの将来を考えると私の治療より子どもの未来の方が大切なのでリウマチの治療をやめることにしました。
    すぐに虐待とは決めつけずに色々家庭の事情があるところもあると思うので、ちゃんと調べるべきだと思います。歯医者さんに連れていって虐待と言われるなんて…。イライラしながら治療され娘は舌の裏から出血していました。
    子ども達に優しい声かけも一切ありませんでした。良い優しい歯科医の方もたくさんいらっしゃると思います。でも泣く子どもに怒鳴ったりムスッとして言葉もかけないのに小児歯科の看板をあげている歯医者さんもあります。今回の事で私も歯医者さんが怖くなってしまいました。優しい歯医者さんに出会いたいです。

  • 匿名 より:

    とても辛い記事ですね。うちは母子家庭で子供3人育てました。一番上の子に重度の障害があり、下の子はなかなか見てあげられません。ひとり親なので、バリバリ働きカラダを壊しながら、子供の病院だけは…と思いましたが、そんな事情で受診も難しかったです。
    それでも学校で、受診してくださいと紙が配られ、少しは予防などもしたつもりです。ただ、本当に時間がなくて病院にも行けません。連れて行く時間がとれません。今は、歯がぼろぼろになった息子に、どうしてもっと歯を大切にするように教えてくれなかったんだと、責められています。
    自分の歯はもうなくなる、骨が歪む、口臭がひどくなり、人前で話せない、みんなとご飯を食べるのもつらいと言われます。親の自分を責めるしかないですよね。
    お金と時間のないひとり親世帯は、全てを失います。
    歯を大切にすることを、海外のように学校でしっかり教えてもらえないでしょうか。息子は命を落としそうなくらい、落ち込み、仕事で人と接することもできなくなっています。