コロナ休校の助成金、勤務先の事前同意がなくてもOKに 保護者の直接申請めぐり厚労省が見直し

畑間香織 (2022年2月9日付 東京新聞朝刊)
 コロナ禍で休校や休園が相次ぐ中、仕事を休まざるを得ない保護者の収入を補償する国の制度「小学校休業等対応助成金」について、厚生労働省は8日、申請手続きを月内にも見直すと発表した。保護者が労働局に助成金を直接申請する際、勤務先の事前同意がなくても手続きを可能にする。

図解 小学校休業等対応助成金の直接申請見直しのイメージ

不正受給を防ぐため、厚労省が事後確認

 助成金は、保育園や小学校が休みになるなどして保護者が仕事を休む場合、有給休暇とは別の特別休暇を従業員に取得させた企業に対し、その間の賃金相当額を国が企業に支給する仕組みだ。企業による申請が進まなかったため、厚労省は昨年3月下旬から保護者が各地の労働局に申し込む直接申請を認めていた。だが、企業の事前同意は必要だったため「使い勝手が悪い」との批判があり、再び運用を見直す。

 今後は企業を全く介さずに申請できるようになるため、保護者にとって申請のハードルは下がる。その代わり、厚労省は助成金の不正受給を防ぐため、「企業が従業員を休ませた」のかという事後確認を行う。担当者は取材に「実際に休ませたのかという裏付けは必要だ」と説明した。

 保護者から申請の相談を受ける労働組合、首都圏青年ユニオンの栗原耕平氏は「子どもの事情で休まざるを得ないのに、『企業の判断で休んだ』のでなければ申請できないのがおかしい」として、さらなる制度の改善が必要だとの見解だ。その上で「本質的な解決のためには、特別休暇を従業員に与えることの企業への義務付けが必要」と指摘する。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年2月9日

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