子どもが入園、新年度の不安を乗り越えるには 親が余裕を持つ大切さと「3つのセルフケア」
保育士はプロです まず親が安心して
てぃ先生は「子どもをプロに任せるのだと、まずは親が安心してほしい」と力を込める。例えば、保育士は、保護者の代わりに子どもを世話する知識や技術を持つ専門家だ。
とはいえ、ゼロ歳から入れる保育園の場合、「まだ小さいのにかわいそう」といった周囲の声に罪悪感を抱いてしまう場合も。働く女性が増える中、「そういう人と価値観を合わせるのは無理」ときっぱり。「幼いころから同世代と触れ合うことは社会性を育む」と、自信を持つよう促す。心ない言葉をかけられたら「右から左へ受け流して」と勧める。いちいちダメージを受けないことが大切だ。
イライラしないよう「時間」をつくる
親と同じように、子どもも環境の変化にはネガティブな感情を抱きがち。これまで一緒だった親や祖父母、ベビーシッターなど信頼関係が築けている人と離れることは寂しい。既に保育園や幼稚園に通っている子でも、クラスや先生が替わるのはストレスになる。
そうした心の負担を受けとめ、きめ細かくケアするには、普段から親が余裕を持つことが必要だ。「人がイライラするのは、時間がない時。人間の余裕は『時間』に尽きる」。あと5分で電車に乗るのに「靴をはきたくない」とぐずられると、いら立ってしまう。同じ言葉でも時間があれば受けとめられる。「どうやって時間をつくればいいかを考えてほしい」と言う。
ルーティンをサボり、妥協するのが鍵
工夫の余地はいろいろある。食事を3食手作りしているなら、週に3日は総菜やレトルト、出前を使う、毎日の掃除を2日に一度にする、金銭的に困っていなければ掃除ロボットや家事代行を頼む…。「暮らしのルーティン作業をどれだけサボったり妥協したりできるかが鍵」と助言する。
「子どもの幸せのためには、ママ、パパの幸せが一番大切」とてぃ先生。親自身が幸せを感じる方法、余裕を見いだすことが、不安の解消に役立ちそうだ。
コロナ禍の3つのセルフケア 成育医療センターのサイトで紹介
先が見えないコロナ禍は親のストレスを増幅させる要因だ。国立成育医療研究センター(東京)のこころの診療部は新型コロナの感染拡大直後から、セルフケアの方法を提案。ポイントは、「自分の今の気持ちを表現する」「ストレス対処法を見つける」「できる範囲で他の人とのつながりを維持する」の3つだ。
気持ちを表現する方法の一つは「寂しい」「イライラする」などと書き出すこと。音楽を聴く、おしゃべりをする、ストレッチをする、ゆっくり風呂に入る、大好きなスイーツを食べるなど対処法は人それぞれだが、複数持っていると安心だ。人と直接会って長く話す機会は減っても、LINEやメール、手紙、電話などを使えばつながることはできる。
ひどく疲れた状態が2、3週間以上続く、大切な人や自身の心や体を傷つけるといったことがあれば、地域の保健センターや精神保健の窓口、子育て支援センター、児童相談所、病院などに相談した方がいい。詳しいストレス対処法は、国立成育医療研究センター こころの診療部のサイトで「セルフケア編」として紹介している。
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