保育園での虐待どう防ぐ? 木更津市が園長らに特別研修会 「事件発覚したら、まずは児相に報告を」
山本哲正 (2023年1月30日付 東京新聞朝刊)
昨年11月に静岡県裾野市の保育所で起きた虐待事件などを受け、千葉県木更津市が同市潮見の市民総合福祉会館で、市内保育施設職員を対象とした特別研修会を開いた。保育園の園長ら施設管理者が対象で約50人が出席。社会福祉法人一粒会で、児童家庭支援センターのセンター長を務める宇田川政男さんが「『不適切な保育を防ぐために』〜子どもの人権・職員の人権を守る保育を考える〜」をテーマに講演した。
人手不足で厳しいが…仲間づくり大切
宇田川さんは児童養護施設の副施設長もしている。手紙箱や月1回の子ども会議などで、子どもの意見を把握するよう施設でも努めているが「24時間一緒にいればスタッフと子どもとの衝突はある」という。「事件が発覚したら、まずは児童相談所に報告する。この時に『よく調べてから報告しよう』というのはやめた方がいい。『このようなことが起きたようだ』と、保育園なら市へ一報を入れることで信頼関係ができ、一緒に考えようという雰囲気になる」とアドバイスした。
また、対応の難しい子や、特別な配慮が必要な子もいる一方、保育士不足や研修不足などで保育施設が厳しい状況にあることに触れ「私の場合、仲間がいたから乗り越えられた」と強調。どうしたら職員の仲間づくりができるのか、参加者がグループ討論をする場面もあった。
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