保育士の給料を毎月3万4000円アップ 東京への人材流出で戸田市が決断
出田阿生 （2023年12月25日付 東京新聞朝刊）
年収は約40万円アップ
埼玉県戸田市は来年3月から、市内の保育所の人手不足を解消するため、保育士の給料に毎月3万4000円を上乗せ支給することを決めた。年間で約40万円の収入増になる。埼玉県内では給与格差から、特に東京に隣接する自治体で保育士不足が深刻となっている。市は「県内で平均年齢が最も若い自治体で子どもの数も増えている。報酬を改善して人材流出を防ぎたい」としている。
待機児童数が埼玉県内ワースト1位
戸田市は2016年、待機児童数が埼玉県内ワースト1位に。保育施設の整備を進めてここ2年はゼロになったが、今年に入って多くの保育所から「保育士が足りないので来春の受け入れ枠を削減したい」と要望が寄せられたという。
今年11月には、保育士不足を理由に5カ所が一時保育を休止。保育士の退職や休職で、年度途中で受け入れ枠を削減するところも出てきた。戸田市によると、今秋保育所に緊急アンケートを実施したところ、市内50施設のうち32施設で、計93人の保育士が不足していることが判明した。
いっぽう年額20万円の賞与は廃止
支給対象は市内にある県の認可保育所と市が認可した小規模、事業内保育所50施設で、保育士660人分の予算として3月分の2244万円を一般会計補正予算案に計上。18日に閉会した戸田市議会12月定例会で可決された。
戸田市はこれまでも1人当たり年額20万円の賞与を市の財源から支給してきたが、この制度は廃止する。
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