子どもの虫歯、乳歯も油断禁物! 将来の子どもの健康に影響も… 年齢に応じた正しい口腔ケアとは?

正しいケアを説明する歯科衛生士の平塚江玲奈さん(サンスターグループ提供)
虫歯になりやすい時期は…
「(永久歯に生え替わる)乳歯なら虫歯になっても大丈夫と考える保護者は少なくないが、将来の子どもの健康に影響する可能性もある」。サンスター財団(大阪)の歯科衛生士の平塚江玲奈(えれな)さんは指摘する。
虫歯になれば、食事をよくかめず、栄養バランスの偏りやあごの発達に影響しかねない。乳歯に付着した虫歯菌がその下で育つ永久歯にも感染するほか、永久歯の形がいびつになったり、変色したりする形成不全を引き起こす恐れもある。
平塚さんによると、奥歯が生え始める1歳7カ月~2歳7カ月ごろは「感染の窓」と呼ばれ、虫歯になりやすい時期。この時期を含む磨き方やその教え方を、月齢や年齢ごとに解説する。
- 歯が生える前の生後3カ月以降は子どもが口内を触られることに慣れさせる。口の中の汚れを拭き取る専用のウエットシートを使うといい。
- 歯が生え始める6カ月ごろは、上の前歯が生えてきたら、親が歯ブラシを使って磨き始める。フッ素配合の歯磨き粉を使うと、虫歯の予防に効果的だ。
- 3歳ごろ、子どもが口に水を含んで汚れを洗い流す「ぶくぶくうがい」ができるようになれば、自分で歯ブラシを縦に持って磨く方法を教える。毛先を自 分に向ける「こんにちは」の持ち方で前歯の表側や下の歯を、毛先を外に向ける「さようなら」の持ち方で上の歯の裏側やかみ合わせを磨く。「(歯を磨く)シ ャカシャカという音が聞こえないくらいやさしく磨こう」と声かけする。
- 「さようなら」(左)と「こんにちは」の持ち方
- 6歳以降は、乳歯と永久歯が混在し、歯の高さや位置がそろわず、磨き残しが増えやすい。それまでの方法では歯ブラシが届かない場所もあるので、歯ブラシを横向きにして口の中に入れて毛先を奥歯に届かせる方法を教える。
正しい姿勢も口腔ケアに
歯磨き後のうがいの回数や水の量は少なめに。歯磨き粉に含まれるフッ素を口内にとどめると、虫歯の予防効果が高まるからだ。平塚さんは「軽く1回程度すすぐのがおすすめ」と話す。
正しい姿勢で食事をすることも口腔ケアの一環として重要だ。「姿勢が悪いとあごにかかる力が偏り、永久歯の歯並びに影響することがある」。子どもが食事をする時にあごが出ていないか、背筋が伸びているか、よく見るといい。椅子と机の高さが合っているか確認することも勧める。

7割の親が罪悪感「上手に磨いてあげられない」
口腔(こうくう)ケア用品を扱うサンスターグループ(大阪)が6月、全国の乳幼児の保護者千人に行った調査では、70.3%の保護者が「子どもへの歯磨きがうまくできなくて罪悪感を持ったことがある」と回答した。子どもの歯磨きの困りごととして「磨き残しがないか不安」(34.3%)や「嫌がってうまく歯を磨けない」(28.6%)ことが上位に。子育て全般の悩みとしても、最多の「しつけ」(49.7%)に次ぎ「口腔ケア」(41%)が挙がった。
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