視力は日によって変動する だから「度数」が大切です〈窪田良のメディカル・トーク〉

(2026年2月10日付 東京新聞朝刊)
イラスト 視力検査する子ども

イラスト・永須華枝

視力は体調や心の状態で変わる

 視力が下がったと聞くと、多くの方は「目が悪くなった」と感じるかもしれません。しかし、視力はあくまで主観的な指標であり、それだけで目の状態を判断するのは危険です。

 視力は、その日の体調や疲れ、集中力、心の状態によっても変動します。実際、同じ人でも測る日や時間帯によって結果がばらつくことは珍しくありません。特に子どもが検査を受ける場合、緊張や気分によって視力が低く出ることもあります。

 視力は角膜や水晶体の状態だけでなく、脳でどのように像を処理しているかという総合力の結果。目そのものに異常がなくても、脳の機能が一時的に低下すれば、視力も下がります。

度数で近視の進行を正しく評価

 一方、度数とは、角膜や水晶体の働きや眼軸の長さによって生じたピントのずれを補正し、物がはっきり見えるようにするためのレンズの強さを表すもの。基本的に日によって大きく変わることはありません。

 だからこそ視力の数字だけに一喜一憂せず、きちんと度数を測ることが大切です。特に成長期の子どもは、度数を把握することで近視の進行を正しく評価し、進行を抑える低濃度アトロピン点眼薬や、意図的に焦点をずらすデフォーカス技術を使ったコンタクトレンズやクボタグラスなどで適切な対応につなげることができます。目の状態を知るには視力だけではなく、度数も大切なのです。

窪田良(くぼた・りょう)

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 1966年生まれ、兵庫県出身。眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO。慶応大医学部を卒業。虎の門病院勤務を経て、米シアトルのワシントン大助教授や慶応大医学部客員教授として活躍。現在は眼科現在は眼科領域で創薬と医療技術の研究開発に取り組む。著書に「近視は病気です」(東洋経済新報社)。本コラムでは、子どもの目が置かれた状況や近視予防対策などの話題を幅広く伝えます。

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