学校健診で裸眼視力の低下がわかったら〈窪田良のメディカル・トーク〉

(2025年6月24日付 東京新聞朝刊)
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イラスト・佐藤圭美

まずは眼科専門医で詳しい検査を

 学校健診の結果が届くこの時期、お子さんの視力低下を心配されている保護者の方も多いことでしょう。視力検査は子どもの目の健康状態を知る大切な機会です。視力低下の早期発見により、適切な対応が可能になります。

 もしお子さんの裸眼視力が下がっているとわかった場合、まずは焦らずに眼科専門医で詳しい検査を受けることをお勧めします。単純な近視だけでなく、遠視や乱視、弱視など他の目の問題が隠れている場合もあるからです。

早期対処で進行を遅らせることも

 視力低下が近視と診断された場合でも、早期の適切な対処により進行を遅らせることが可能です。毎日の屋外活動を増やしたり、近くを見る時間を減らしたり、近視進行抑制のための夜間コンタクトレンズなどを利用したりする方法があります。

 また日本でも昨年12月に近視進行抑制の目薬が認可され、新たな治療の選択肢として期待されています。地域の眼科医とも相談しながら、お子さんの目を守るための最善の方法を見つけていきましょう。

 私自身も先月、米国で開催された眼科研究の国際学会に参加し、近視抑制のために開発した「クボタグラス」の臨床試験結果を発表してきました。世界中から最先端の研究成果が数多く報告されており、より効果的な近視予防法や治療法が近い将来次々と登場するのではないかと、大きな期待を抱いています。

窪田良(くぼた・りょう)

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 1966年生まれ、兵庫県出身。眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO。慶応大医学部を卒業。虎の門病院勤務を経て、米シアトルのワシントン大助教授や慶応大医学部客員教授として活躍。現在は眼科現在は眼科領域で創薬と医療技術の研究開発に取り組む。著書に「近視は病気です」(東洋経済新報社)。本コラムでは、子どもの目が置かれた状況や近視予防対策などの話題を幅広く伝えます。

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