子どもの頃から目の健康長寿に関心を〈窪田良のメディカル・トーク〉

(2026年3月31日付 東京新聞朝刊)
イラスト

イラスト・西川怜

目は生活の質を大きく左右する

 日本は、世界でも有数の長寿国になりました。しかし長生きするだけではなく、健康に生活できる期間を延ばすことが大切だと言われています。私は、眼科医として、この考え方は目にも当てはまると感じています。いわば「目の健康寿命」です。 

 年齢を重ねると、白内障や緑内障、網膜剝離などの失明につながる可能性のある病気が増えます。最近は、スマートフォンやパソコンの使用時間が長くなり、ドライアイに悩む人も増えています。目は生活の質を大きく左右する大切な感覚器官ですが、その健康については意外なほど意識されていません。

寿命が延びた時代だからこそ

 私は、近視を病気として捉えるべきだと考えています。なぜなら将来、失明疾患にかかりやすくなる事が分かって来たからです。ただし、すべての人が必ず治療しなければならないというわけではありません。子供の頃に外で遊ぶ時間を増やすだけでも発症予防や進行抑制に効果がある事が分かってきました。特殊なメガネ、目薬、クボタグラスなど予防法も開発されつつあります。必要な時に治療を選択できるよう正しい知識を持つことが大切です。

 寿命が延びた時代だからこそ、子どもの頃から目という感覚器官に関心を持つことは、将来の視力を守るうえで重要です。多くの方々が「目の健康寿命」に関心を持ってほしいと願っています。

窪田良(くぼた・りょう)

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 1966年生まれ、兵庫県出身。眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO。慶応大医学部を卒業。虎の門病院勤務を経て、米シアトルのワシントン大助教授や慶応大医学部客員教授として活躍。現在は眼科現在は眼科領域で創薬と医療技術の研究開発に取り組む。著書に「近視は病気です」(東洋経済新報社)。本コラムでは、子どもの目が置かれた状況や近視予防対策などの話題を幅広く伝えます。

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