コロナ休校で、ひとり親交流サイトのアクセス5倍に 食事は?学習支援は?「困りごと」に役立つサービス情報
飯田樹与 (2020年3月17日付 東京新聞夕刊)
新型コロナウイルス対策による臨時休校で、一人で自宅で過ごすことが難しい子どもを持つひとり親から悲鳴が上がる中、ひとり親交流サークル「エスクル」のホームページに注目が集まっている。2000人近い会員が収集した情報をまとめ、無料や低価格で食事や学習を支援するサービスなどを紹介。ひとり親だけでなく、子育て世帯全体の利用も伸びているという。
安価な弁当宅配や、自宅学習コンテンツなど紹介
「ひとり親が気軽に交流できる場所」を目指すエスクルは、全国各地で交流会を開き、子育て相談や婚活サポートなどをしている。
安倍晋三首相が臨時休校を要請した後の2月29日、子育て支援情報をまとめた「コロナに負けるな! 特設サイト」を開設。配送料だけで弁当を提供するサービスや、家庭学習の不安を解消するための学習コンテンツ、医師に無料で相談できるアプリの案内などをしている。会員が集めた情報を事務局で内容を精査した上で掲載している。
「ひとり親支援が子育て世帯全体への支援に」
エスクル発起人の今井智洋さん(32)によると、ホームページのアクセス数は普段の平日が300件ほどなのに対し、3月上旬は5倍にまで増加。小学校低学年の子どもの親から「役に立った」と連絡もあるという。
「子どもは誰が見てくれるの?」「ひとり親のことを考えていない」「政府の対応は後手後手では」―。安倍首相の要請直後から、今井さんの元には、子どもの預け先がないひとり親から悲痛な声が続々と届いているという。子どもの世話をするために仕事を休めば、収入は減る。「ひとり親家庭の生活はギリギリの場合がすごく多く、死活問題になる」と危惧する。
今井さんは、預け先の確保や子育て世帯が休みやすいような企業への働き掛け、休業時の賃金補償の徹底を国や自治体に求める一方、「ひとり親への支援が子育て世帯全体の支援につながっている。ホームページの情報を役立ててほしい」と話している。
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