社会科好きの9歳が「かわさき検定」合格 19歳の最年少記録を大幅更新
石川修巳 (2021年4月28日付 東京新聞朝刊)
わが町の魅力を詳しく知ってもらう川崎産業観光検定試験「ようこそ!かわさき検定」に、川崎市中原区中丸子の小学4年生、中谷悠人(ゆうと)さん(10)が最年少で合格した。事務局の川崎商工会議所によると、中谷さんは3月の受験当時9歳。これまで19歳だった最年少記録を大幅に更新した。
観光パンフで勉強 母も単語帳を作って応援
この検定は、川崎産業観光振興協議会の主催で2007年度に始まり、2016年度にリニューアルした。試験は年1回で、4つの選択肢から正解を選ぶ択一式35問、記述式2問で構成。100点満点のうち70点以上が合格になる。
「明治末期、多摩川下流地域に近代工場の進出が始まった。第一号の企業は」「津久井道沿いの川魚料理店で有名だった『スッポン煮』に用いられたものとは」。中谷さんが受験した2020年度は、こんな出題があったという。
「社会科と電車が好き」と語る中谷さん。自宅マンションの電子情報板でこの検定を知り、受験を思い立った。観光パンフレットなどを読んだほか、母が想定問題を書き込んだ単語帳を手作りし、応援してくれた。「何度も遊びに行った生田緑地など、身近な場所の歴史を知ることができて楽しかった」
おすすめは生田緑地とグランツリー武蔵小杉
試験では、おすすめの観光スポット2カ所とその理由を問う出題も。中谷さんは生田緑地とともに、自宅近くの商業施設「グランツリー武蔵小杉」を挙げた。幼いころにこの施設の工事現場を見るのが好きで、愛着があるのだという。
検定合格者を対象に「川崎産業観光ガイド」として養成する仕組みもある。「やってみたい」と中谷さん。次は小学1年の弟俊介さん(6つ)を応援して、最年少記録の更新を目指す。
事務局によると、小学生の受験も、合格も今回が初めて。2020年度の申込者数102人に対し、66人が合格した。2016年度以降の合格者は計276人で、最高齢は81歳という。
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