【2021年トレンド】クリスマスプレゼントのおもちゃはアナログ回帰 マスクにプリント、桃鉄はボードゲームに
おしゃれなオリジナルマスクが簡単に
「マスクをしたがらない子供でも、おしゃれな物なら率先して着けたくなる」。セガトイズ(品川区)がPRしたのは、専用のスティックを使って転写シールをこするだけで、市販マスクを自分だけのマスクにできる「マスクにプリント!マスクック」だ。シールは1つが約1センチ四方。すしネタやハート形、サンリオキャラクターのシールもある。担当者は「365日、最短10秒でオリジナルマスクを作れる」。
70m先まで赤外線が届くモデルガン
コロナ禍でたまるストレスを発散、運動不足解消になりそうなグッズもある。2丁のモデルガンをセットにした「スピンチャージ煌(KAGAYAKI)」。サバイバルごっこで銃口を対戦相手の持つガンに向けると、最大70メートル先まで赤外線が反応する。相手のガンに赤外線が命中すれば、光や音、振動でダメージを知らせる。開発した石川玩具(墨田区)担当者は「弾が出ないのでステイホームでも外でも楽しめる」。
歩数でキャラが育つウェアラブル端末
かつて育てる携帯液晶ペット「たまごっち」を世に送り出したバンダイ(台東区)は腕時計のように手首に着けるウェアラブル端末「バイタルブレス」を発売した。計測される心拍数や歩数に応じ、ウルトラマンや仮面ライダーなどの提携キャラが強く成長していく。
コロナ禍だからこそ、コミュニケーションを生む物に人気
心を痛めた時 笑顔と癒やしと安らぎを
発表会はメーカーでつくる日本玩具協会と東京玩具人形協同組合が主催した。インバウンド需要は消え、外出控えもあって市場は振るわないと映るが、協同組合の斎藤晴正理事長は意外な数字を会場で紹介した。
「玩具の年間売り上げはコロナ禍に襲われた2020年度も、東日本大震災があった2011年度も前年を上回ることができている」
その理由を「大きな危機や心を痛める事象に直面した時ほど笑顔でいてほしい、癒やしや安らぎを感じてほしいと願い、親子や友達とコミュニケーションを生む物が求められる」と説いた。協会の前田道裕会長も「コロナは一気にデジタル変革を進めたが、時代が進むほど人々はゆったりした商品を求め、大人も子供も安らぎが必要」と訴えた。
人生ゲーム67代目に「リモート」「副業」
確かに、アナログ回帰が目を引く。タカラトミー(葛飾区)は53年続く看板シリーズ「人生ゲーム」の67代目となる「大逆転人生ゲーム」を今年、投入した。
ルーレットを回し、すごろくのように進みながらマス上の指示に従う。最終的に稼いだ額の多さで競うが、マスに書かれた内容が今どきだ。「リモートワークの時間が増えてぎっくり腰に」と治療費支払いが生じたり、デリバリーの副業で臨時収入が入ったりする。回せば人生が「大逆転」するルーレットの新たな仕掛けも今回初めて導入した。
タカラトミーの系列会社もファミコンで大人気となった「桃太郎電鉄」のボードゲームを発売。バンダイの系列会社は、4人で対戦できるオセロをPRしていた。
おもちゃ業界専門誌「月刊トイジャーナル」の伊吹文昭特別顧問は「ほかにも2大人気キャラ『鬼滅の刃』『すみっコぐらし』連携商品が市場をけん引している。家で(組み替えを)楽しめるDIY系おもちゃも新しい潮流」と解説した。
昨年は感染が広がり、帰省を見送った人も多いだろう。この冬は、せめて親族とだけでもワイワイ楽しめる環境であってほしい。そのためのグッズがそろっている。
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