3歳娘が「うんち」を連呼…どうすればいい? 【新連載】宮里暁美の子育て相談

(2022年7月19日付 東京新聞朝刊)
 
ひとりで悩まない 宮里暁美の子育て相談
 長年、保育現場で子どもたちと向き合ってきた、お茶の水女子大学特任教授の宮里暁美さんによる新連載「ひとりで悩まない 宮里暁美の子育て相談」を始めます。喜びや発見、迷いや苦悩の中で子どもと大人が互いに育ち合えたらどんなにかすてきでしょう。子育てっていいなという気持ちを取り戻せる心の持ち方のヒントを届けます。初回は「東京すくすく」に寄せられた30代のお父さんからの2つの相談を一緒に考えてみます。

幼稚園に入った娘が一日中「うんち」…大人はどう対応すれば?

 この春、幼稚園に入園した3歳の娘が「うんち」「うんち」と一日中言っています。初めての集団生活で、「うんち」という言葉を覚えたのでしょう。今までこんなことはなかったので戸惑っています。妻は「そんなこと言わないの」と注意しますが、僕は「そのうち飽きるだろう」と基本、ほっといています。「うんち」に限らず、言ってはいけない言葉、言わない方がよい言葉を子どもが言ったら大人はどう対応したらいいのでしょうか。今は「うんち」程度だからかわいいものだけれど、その内容が変わってきたら、と思うと悩ましいです。

叱るより「うれしい言葉」を増やしたい

A 「うんち」や「おしっこ」「おなら」を連呼する時期ですね。言葉の響きや「ダメ」と注意する大人の反応が面白くて余計に言ってしまうこともあるようです。「ごはんの時は言わないよ」と伝えることで、言わない方がいい時があることを感じ取るのはとても大切です。

 子どもの言葉のモデルは身近にいる家族です。お母さんやお父さんが、互いに認めあったりいたわりあったりしていると、子どももそういう言葉を使うようになります。逆にわが子をよく育てたいと思うばかりに「それはダメ」「何度言ったらわかるの!」と注意しがちだと、内容よりも語調が子どもの心に残ってきつい言い方が身についてしまったりします。

 そう考えると、困った言葉に注目して叱るよりも、わが子にかけられる「うれしい言葉」を増やしていくことが、問題の解決につながるように思えてきます。いつかは必ず通り越します。おおらかに構えていることをお勧めします。

イラスト・永須華枝

起きない、着替えない、ごはん食べない…朝の準備、ものすごく時間がかかります

 3歳の娘の朝の準備にものすごく時間がかかります。娘は朝、起きない、着替えない、ごはん食べない-。30分あれば大丈夫、と僕も妻も思っても、ひとつひとつに時間がかかるので、結局1時間たってしまいます。自分たちの準備も遅れます。どうしたら準備がスムーズに進むようになりますか?

「簡単にする」ポイントを決めましょう

 子どもってそんなもの。すべきことをさっさとできないのが子どもなのです。でも、朝の時間は限られています。こうなったら攻略法を編み出すしかない。どこを簡単にする?と考えて作戦を立てましょう。

 バナナやパン、おにぎりなど、食べやすいものを用意して、少しでも食べたらよしとする。簡単に脱ぎ着できる服を用意してほとんど着せてあげたとしても、機嫌よく一日がスタートできればそれでよし! 朝のハードルをぐーんと下げると「今日もよかったね」と思えるかもしれません。

 私も3人の子を育てながら仕事をしていたので、どうやって朝を過ごしたのか思い出せないくらい突っ走っていました。平日は駆け抜けて、休日はゆっくり楽しんで。そんなふうにメリハリをつけて過ごせたらいいですね。

※第3火曜連載

宮里暁美(みやさと・あけみ)

 1955年生まれ。お茶の水女子大学卒。静岡、東京で公立幼稚園教諭を経て2007年に同大学附属幼稚園副園長。秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまが同幼稚園に3年間通われた当時、成長を見守った。文京区立お茶の水女子大学こども園前園長。お茶の水女子大学特任教授。自らも2男1女の母。

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