炎天下の車内を早く冷やしたい JAFが「最も効率的」と勧める方法は?
スマホは故障、消毒液は引火の危険性
今月上旬の晴れた昼下がり、名古屋市昭和区のJAF愛知支部の屋外駐車場で、車内温度の測定実験が行われた。気温34度の中、車の窓を閉め切ってエンジンを止め、車内温度がどう変化するかを確かめた。
運転席に置いた温度計の表示は当初の27度から開始20分ほどで40度に上昇。雲が出てきたため実験は30分で終了したが、企画した同支部の杉山里帆さん(26)によると、過去の同様の実験では、1時間で車内温度が50度を超え、熱がこもりやすいダッシュボード付近は80度近くまで上がった。比較的涼しい日でも日光が当たる場所なら油断は禁物といい、「車内に居続けると、体温調節機能が低い子どもや高齢者はもちろん、健康な大人でも熱中症の恐れがある」と注意を促す。
スマートフォンなどの電子機器や食料品を車内に置きっ放しにすると故障や傷みが生じやすく、「短時間でも離れるときは持っていって」と杉山さん。また、新型コロナウイルス感染防止用のアルコール消毒液は、主成分のエタノールが気化して車内に充満すると、静電気やたばこなどで引火する危険があるため、放置は厳禁だ。
窓全開、エアコン最大風量で走り換気
暑くなった車内の温度をどう下げるか。JAFが最も効率的と勧めるのが、窓を全開にした上でエアコンを外気導入モードで風量を最大にして走り出し、車内を一気に換気する方法だ。数分走行して熱気がなくなったら窓を閉め、エアコンを内気循環に切り替えると冷房効率が良く、燃費も抑えられる。発車前にドアを何度か開閉し、反対側の窓から熱気を逃がせば、より早く冷やせる。
ダッシュボードやハンドルはぬれたタオルで拭き、気化熱で冷やすのが効果的。駐車中に窓にサンシェードを付けておけば、触れないような熱さにはならない。チャイルドシートやシートベルトの金具は子どもが触ってやけどを負う事例も少なくないといい、JAF愛知支部広報担当の武藤敏行さん(48)は「子どもを乗せる際は十分確認を」と促す。
冷却スプレーは高温で破裂する可能性
一方、風のある場所に車を止める際は、窓を数センチ開けておくと温度上昇を緩やかにできるが、駐車時間が長くなるほど防犯上のリスクが高まる。手軽な缶タイプの冷却スプレーは、可燃性のガスを含むものが多い。車内に置いておくと高温で破裂する可能性もあり、成分や保管状態の確認が不可欠だ。
エアコンのフィルターが詰まっていると、冷房効率が悪くなるので、点検しておくといい。エアコンの稼働状況は車の燃費にも大きく影響し、冷やし過ぎると燃費が悪くなる。また、内気循環のまま使い続けると車内の二酸化炭素(CO2)濃度が高まり、疲労が増したり、注意力が落ちたりするとの研究結果も出ている。武藤さんは「暑いかもしれないが、走行中は数十分おきに外気導入に切り替えたり、窓を少し開けたりしてほしい」と呼び掛ける。
なるほど!
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ハンドルやチャイルドシートにはバスタオルなどを掛けて、日光があたらないようにしましょう。サンシェードよりは簡単だとおもいます。