35歳の娘が2歳の孫にまだ母乳をあげています〈宮里暁美の子育て相談〉
どうやって止めるようにしたらいい?
Q 2歳の孫を子育て中の娘(35)がまだ母乳をあげています。自立心を遅らせないか気がかりです。どうやって止めるようにしたらいいかアドバイスを。(60代祖母)
干渉はせず「リクエストに応える」姿勢に徹しましょう
A 孫は格別にかわいい!という声をよく聞きます。無我夢中で子育てをしていた自分の記憶ははるか遠くになり、孫が育つ様子は余裕をもって見られるだけに「こうしたら」と思うことも出てきます。質問を寄せてくださった方も、かわいい孫が育つ様子を見ながら、アドバイスしたいという思いが浮かんだのですね。
でも伝え方はとても難しい。もしも娘さんが、初めての子育てを頑張っていたり、卒乳のタイミングに迷っていたら、アドバイスは受け入れにくいかもしれません。良かれと思って言った言葉も、受け取り方によっては「自分の子育てを否定された」となってしまう。それは孫の幸せや子育て中の娘さんの幸せを願っているあなたにとって望むところでは無いでしょう。
私は、おじいちゃんやおばあちゃんはリクエストに応えるという在り方に徹することをお勧めします。頼まれたことをしたり一緒に遊んだりする。手伝ってくれる人がいると、子育てにも余裕が出て、娘さんの方から「お母さんはどうしていた?」と聞いてくるかもしれません。その時がチャンスです。「私はこうしていた」「こうしてみたらよかった」と自分の体験を話してみましょう。「こうすべき」という言い方ではないので抵抗感が薄れるようです。
子育てが孤育てにならないように、おじいちゃんやおばあちゃんの役割はとても大きいです。「それでいいよ」と認めたり「そこ迷うよね」と共感したり、体験談を伝える。その根底に流れるのは「ゆっくりで大丈夫」「長い目で見ていこう」という姿勢だと考えます。
(宮里暁美=文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)
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